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近隣エリアで自主連携
6日午前3時に発生し、最大震度7を記録した北海道胆振東部地震。広い地域で停電が起こるなど道民の生活には大きな影響があった。今後いつ、どこで起きてもおかしくない災害に対して十分な備えはあっただろうか。北海道に拠点を持つ事業者の対応を聞いた。

 

ネット使い発信全国で支援体制
湖山医療福祉グループ(東京都中央区)では、現場のエリア責任者がまず1番に職員・入居者の状況を本部に報告。写真で施設の様子を伝え、グループ間で共有した。

 

6日9時には災害対策本部を立ち上げ、北海道内を札幌・石狩・小樽とエリアで分けて責任者を置き、情報集約拠点とした。一番早い15時頃に電気が復旧した札幌中央エリアから、小樽エリアまで不足した非常電源用のガソリンを運んだという。
このような状況の中、札幌市内に勤務する社会福祉法人湖星会(福島県二本松市)の熊谷寿二総務課長は「日常的に近隣エリアの拠点とコミュニケーションをとっていたため、効率よく動けた」と話す。

 

同グループの健康倶楽部(北海道小樽市)の加藤文雄社長は、法人を横断して情報のハブ機能役を担った。情報が滞りがちな環境でホームページに状況をアップし、内外に発信したことで、被災直後からグループ全法人から支援の申し出があったという。エリアごとの必要な救援物資の取りまとめ、本部と各リーダーの連絡などを行ったほか、先発隊として山形県の事業者から支援チームを3組編成した。
「フェリーも公的支援などが優先。まずは一番近い法人・事業所間で物資や人手について融通し合った。幸い、大きな問題が起こる前に電気が復旧し、食料なども確保できた」(加藤社長)

 

 

東北・新潟から必要物資搬入
北海道に34事業所を持つツクイ(横浜市)では、6日はデイサービスの営業を停止。訪問看護やグループホームなど、人命や生活に深く関わるサービスのみ継続させた。
社内共有サイトで情報交換を随時行ったほか、北海道に入っていた北日本エリアのトップが不足物資などの情報窓口について役割分担を指示した。現場から離れている本部ではライフラインの復旧や安否を確認しながら必要とされる所に集中的にサポートする体制を取っていたという。

 

今回、空港が閉鎖されたため、東北・新潟の拠点からフェリーで物資支援した。「東日本大震災や中越地震の経験から、エリア間のやり取りはスムーズにいったようだ。現地からの状況報告も一定のフォーマットができており、状況把握がしやすくなっていた」(同社広報)

 

両社に共通していたのは、過去の経験や日頃の教訓を基にしたスムーズなコミュニケーションと、繋がりの重要性。「現地では情報が滞り、入りにくい。外部からの情報交換ルートを早めに確立することで安心でき、次の一手にも繋がる」(熊谷課長)

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