給食事業などを展開するLEOC(東京都千代田区)の業績が好調だ。昨年度、同業他社の成長率が2~4%の中、大手で唯一の2桁成長を記録した。母体であるONODERAGROUPは、今年4月にグループ再編を行ったばかり。好調の理由や再編後の体制について、田島利行副社長に話を聞いた。
昨年度成長率1割超
──事業内容について教えてください。
田島 LEOCは1983年創業。給食事業を展開している会社です。所属するONODERAGROUP(以下、グループ)は給食や外食、スポーツ、教育事業などを展開しています。LEOCのほか、フィートホールディングス、ONODERAホールディングス、GINZA0NODERA、PWホールディングスからなり、サッカーJ1リーグの横浜FCの経営や海外での日本語学校の運営、鮨の「銀座おのでら」の展開などを行っています。
当社は給食事業を、オフィスや学校、各種福利厚生施設へ展開している「ビジネス&インダストリー」、病院や保育園を担当する「ヘルスケア」、有料老人ホームやサ高住などに対応する「シニア」、プロスポーツチームなどをサポートする「アスリート」の、大きく分けて4つの分野で展開しています。近年は特に有料老人ホームなどシニア住宅への展開に注力しています。
人材部門に106名投入
──好調な成長率で注目されています。
田島 おかげさまで1983年の創業以来、受託数は毎年増加しています。また、10年以上継続して受託している事業所が969件になり、昨年度調査の「第44回日経MJ日本の飲食業調査」(2018年5月発表)における給食業界売上上位10社の成長率部門で、1位と発表されました。
──どの部門、どのジャンルの売り上げが伸びているのですか。
田島 全ジャンル、また、全国どのエリアでも売り上げは伸びています。中でも特に首都圏、ジャンルとしてはシニア部門の伸びが大きく、全体を底上げしています。特にシニア部門は伸び率が前年比14・22%と顕著で、有料老人ホーム、保育園の新規受注が伸びています。
――新規受託はどのように広がっているのですか。
田島 現在受託している事業所が新規にホームや事業所を開設する際に依頼されるケースと、評判が良いから紹介してもらったと依頼されるケースがほとんどです。現在受託している事業所での好評が大きな要因と考えています。
──好評の要因は。
田島 何よりもまずは「美味しい」こと。そして「見た目に美しい」こと。おいしさの追求については、調理師の感覚や経験だけに頼るのではなく、科学的根拠に基づいて調理すること、また、料理の下処理のひと手間を惜しまないことを心がけています。加えてバックアップ体制が充実していることを評価していただいているのではないでしょうか。
──バックアップ体制とは。
田島 調理指導やメニュー開発、イベント対応や研修など、現場をサポートするための部署として「運営指導本部」を置いています。ここに100名が所属し、常に現場へのフィードバックを行います。何か問題があった場合には現場に赴き検証し再発防止策などを提案することなどもあり、常にクオリティ向上に努めています。
ステージに応じた研修
──業界全体の人手不足にはどう対応していますか。
田島 当社も人手不足の環境は他社と同様です。だからこそ、採用・人材育成に注力してきました。
特に採用では、新卒のほか中途採用に特化した専門部門も設置。採用・育成等の人財部門に106名を投入し、今年度は新卒を532名採用、来年度は1000名を採用予定です。採用後も本社に研修施設を完備し、個人のキャリアステージに合わせた研修プログラムを用意しています。その成果がここにきて現れているのだと認識しています。
人手不足は今後より深刻になっていきます。「人財のLEOC」をキーワードに、今後も従業員の満足度、ひいては事業者の皆様の満足度向上に努めていきます。
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