PlanB(三重県四日市市)は、昨年11月、医療対応・看取りに特化したサービス付き高齢者向け住宅「ナーシングホームしらゆりケア」を同市に開設した。入居は好調で、年内には隣地に看取りに特化したサ高住を着工する。
同社は2014年、介護が全く未経験の浜中俊哉社長が設立した。15年に初の事業所となる訪問看護を開設。16年には訪問介護、17年には居宅介護支援、そして18年にサ高住と、毎年1つずつ新しい類型の介護事業所を立上げている。全ての事業所は徒歩5分の範囲内にあり、地域密着を徹底している。
「介護で起業する前、義母が在宅で介護保険サービスを利用していたのですが、ケアマネジャー、訪問看護師、訪問ヘルパーがそれぞれ別の会社で、家族の立場としては煩わしさを感じていました。また、それらの事業所の連携が全く取れていませんでした。具体的には義母は難聴だったのですが、その情報すら共有されていませんでした。こうした経験から『ワンストップで対応できる体制』を重視しています」
訪看は常勤換算で12.5人
訪問看護は常勤換算で看護師が12・5人いる。これは四日市市内34の訪看事業所の中で最多だ。このため近隣の大病院からの退院後の在宅受入れ依頼も多く、これまでに在宅看取りも70件ほど行ってきた。こうした経験が、ナーシングホームの開設につながった。
居室数は30。看護師が24時間常駐している。入居費用は食費込みで月12万2000円に抑えた。居室は「5室は看取り期」「10室は常時見守りが必要な人」「15室は医療的ケアの観点から他の高齢者住宅では受入れ困難な人」と区分しており、この比率は崩さない考え。開設してまだ3ヵ月足らずだが既に5件の看取りを行っている。
運営面ではICTの活用に積極的だ。全居室にエコナビスタの健康見守りサービス「ライフリズムナビ+Dr」を導入。また、社内の連絡はグループウェアを活用しペーパーレス化などを進めている。
こうした業務効率化は「現場の人員を減らす」ことを目的に行う事業者も多いが、同社は、人員を減らすことはないという。「建物内のスタッフは1人でも多いほうがいい。見学者などに与える印象が全然違う」という考えからだ。
隣地に開設予定のサ高住は14室を予定。本社機能もこの建物内に移す計画だ。
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