「医療・福祉」13.7%増加
厚生労働省は2018年10月末時点における「外国人雇用状況」の届出状況を発表した。全産業の外国人労働者数は約146万463人。前年同期比で約18万人の増加となった。「医療・福祉」分野で働く外国人労働者は2万6086人。事業所数は9913ヵ所となり、14年以来2ケタの伸び率を続けている。
ベトナムから増加率が突出
前年同期からの外国人労働者全体の増加率は14・2%となった。増加要因については、政府が推進している高度外国人材や留学生の受け入れが進んでいること、雇用情勢の改善が進み、永住者や日本人の配偶者などの身分に基づく在留資格者の就労が進んでいること、技能実習生の受け入れが進んでいることなどが背景にあるとしている。
労働者数が最も多いのは中国で38万9117人。全体の26・6%を占める。次いでベトナム31万6840人、フィリピン16万4006人と続く。
特筆すべきは2位ベトナムの増加率だ。前年同期比31・9%(7万6581人)となり、同21・7%のインドネシア、18%のネパールを大きく上回る。
中国人労働者の伸び率鈍化には、経済発展により日本との所得格差が縮小し、日本で働くことへの魅力が薄れてきていることが挙げられる。また、外国人就労支援などを手掛けるメディパス(東京都品川区)の小田弘取締役は、「中国人労働者の失踪・労働争議などトラブルも目立っていた。これを嫌った紹介業者の多くがベトナムに流れたことも要因ではないか」と話す。
外国人労働者を雇用している事業所は21万6348ヵ所で、前年同期の19万4595ヵ所から2万1753ヵ所増加している(11・2%増)。
「医療・福祉」では13・7%増の9913事業所となり全産業平均以上の伸びを示した。2万6086人が医療・福祉業界で働いている。
外国人労働者数・外国人労働者を雇用している事業所数ともに届出が義務化された2007年以降最高の数値となった。
また、事業所数全体の8・3%にあたる1万7876ヵ所は労働者派遣・請負事業を行っており、就労する外国人労働者は30・9万人、全体の21・2%を占めている。
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