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 2018年4月までに全市町村で実施することとされている「在宅医療・介護連携推進事業」について、当該8項目全てを実施している市町村は、今年8月1日時点で全体の1割に留まっていることが明らかになった。人口の少ない市町村ほど実施率が低い傾向が見られる。

 11月16日に行われた第68回社会保障審議会介護保険部会で厚労省が示した。

 在宅医療・介護連携推進事業では、市町村は(1)地域の医療・介護の資源の把握(2)在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討(3)切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進(4)医療・介護関係者の情報共有の支援(5)在宅医療・介護連携に関する相談支援(6)医療・介護関係者の研修(7)地域住民への普及啓発(8)在宅医療・介護連携に関する関係市町村の連携、の8項目が実施事業項目として定められている。

 厚生労働省が全国1741市町村の事業実施状況を調査したところ、2016年度の速報値で「全て実施している」のは174(10・0%)に留まり、「全く実施していない」は98(5・6%)となった。8事業のうち、いくつ実施しているかでは「4つ」が最多で240(13・8%)、次いで「6つ」の228(13・1%)、「7つ」の213(12・2%)となっている。ただし、2015年度確定値と比較すると「全て実施」が130増え、「実施していない」が250減っており、取り組みは進んでいる。

 また(1)~(8)の項目別に実施状況を見てみると。実施割合が最も高かったのは(1)の62・6%。次いで(2)の62・1%、(6)の60・9%。一方低いのは(3)の38・1%、(5)の39・8%であり、項目ごとの差が大きくなっている。

 市町村の人口別実施状況では、(1)を例にとると5万人未満が59・4%なのに対し、50万人以上は88・6%であるなど、総じて人口が少ない市町村ほど実施率が低い傾向にある。

 なお、この日の部会では、在宅医療・介護連携促進事業について、厚生労働省から「地域の医療介護連携の実態把握や課題検討などの方法について国が具体化し、市町村に実施を求める」「市町村では困難なデータの収集分析・在宅医療に関わる体制整備など、都道府県が行う市町村支援の取り組みについて、国が明確化し充実を図る」などの考えが示され、参加した委員もこれに賛同した。

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