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 ニチイ学館(東京都千代田区)は11月15日、2017年3月期第2四半期決算説明会を開催した。介護部門の収益改善で売上高は過去最高を更新したが、教育部門の不振などにより経常利益は11億円強の赤字となった。今後は中国の子会社と協働で外国人技能実習制度を活用した事業拡大に乗り出す。

人員配置見直しサービス効率化

 売上高は前年同期比0・9%増の1377億5100万円となり、過去最高を更新したが、減損処理などにより経常利益は0・8%減のマイナス11億1000万円だった。

 介護事業の利用者数は、デイサービスで1%減少、訪問介護で2・5%減少となったが、居宅系サービスの伸長や、サービス効率化により、収益が改善した。

 「デイサービスについて、過剰な人員配置をしていたところを見直し、その人材をほかのサービスへと移動させた。また、サービス提供時間も増やしたことで収益改善に繋がった」(森信介副社長)

 これまで赤字経営だった訪問入浴事業については、事業所17ヵ所を統廃合し、88ヵ所にしたことと、移動ルートの見直しなどで1日のサービス提供回数を増やしたことで黒字に転換した。

経産省の公募で医療ツーリズム

 現在、中国事業は産後ケア、ベビーシッター、家政婦サービスなどを展開。売上高は9億4900万円、営業利益はマイナス7億2200万円。中国法人の連結化状況としては、16法人5学校法人が連結済み。

 介護分野における外国人技能実習適正実施法案が可決されたことを受け、企業単独型で中国子会社社員を日本に送り、一定期間研修を積んだ後、事業拡大のため中国に戻す計画を発表した。「実修生は数百人規模の受入れを検討している」

 そのほか、経済産業省の公募事業として、藤田保健衛生大学病院(愛知県豊明市)と協働で医療ツーリズム関連事業を手掛けている。これは中国からの医療渡航者の受入拡大および、介護まで含めた帰国後のフォローアップなど、包括的なケア体制構築に向けたスキームモデルの実施検証を行うもの。期間は2016年6月~2017年3月まで。「中国子会社を活用して医療渡航者を探している。来年度はほかの病院にも規模を拡大していきたい」

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