樹(いつき、三重県四日市市)は昨年4月、四日市市内にデイサービスを開設。「地域に開かれた事業所」をコンセプトに、利用者数が拡大。現在定員35名で毎日約30名の高齢者が利用している。今月13日に1周年記念の感謝祭を開催した。
「地域の人たちが寄ってくれる場所にしたい」
こう語るのは樹の樋尾重樹社長。周辺で介護事業者が目立ち始め?介護?に興味を持ち始めたのが5年ほど前。その後、70ヵ所ほどの事業所を見学。折しも今年39歳の樋尾社長の親戚も高齢化が進み、超高齢社会の実感が身近なものになってきた。
「地域の人が普通に利用できるような開けた介護事業所を作りたい」との想いを実現したのが、四日市市平尾町に開設した「デイサービスセンターいつき」。現在登録者は89名。定員は35名だが、最大45名まで可能なスペースを確保した。「定員が100名に達するようなデイサービスもあるが、大きすぎず小さすぎず、安定した収益が見込める」という。
サービス面では機能訓練、庭に設けられた農園、食事、入浴などが特色。機能訓練はトレーニングマシン、ゴムバンドによる筋力トレーニング、平行棒や歩行器による歩行訓練、バランスパッドによるバランス訓練、ボールやレク用品を使用した運動レクリエーションと多様。機能訓練士がサポートしている。
庭の散歩コースでは利用者のADLに合った訓練が可能。植栽や農園を囲むように設けられた歩行コースをコンクリートで整備。両手すりや階段状のステップアップで個々の状態に合わせたリハビリが可能。デイサービスにいながら、公園で歩行訓練を行っている気分を味わえる。ウッドデッキのベンチでゆっくりくつろぐこともできる。
足浴やホット・パック・メドマーなどのリラクゼーション機器も充実。機能訓練と併用することで日々の疲れをほぐす。
車いすでも通行可能な歩行コース内の農園スペースでは野菜や花を栽培。育った作物は厨房で調理している。
食事は定食、麺類、丼物の5つのメニューから選べる。誤嚥予防のためのムース食も用意している。入浴は身体状態に応じて使用できる機械浴と一般浴を設置。一般浴からはガラス窓越しに箱庭を眺められる。
開業前のスタッフ面接には80人ほどが集まり、看護師4人を含めトータル13名の手厚い体制を組むことができた。
「いかに自由度を高められるかがサービスの基本。次は隣接地でショートステイを手掛けたいと考えている」(樋尾社長)。
社名の由来は、「大樹のような存在でありたい」という願いから。気配り、気遣い、気働き一団和気、意気の5つの気(樹)を理念にしている。施工は積水ハウスが手掛けた。
1周年感謝祭では、マグロ解体ショーを実施。利用者・家族の他、地域住民も招待した。
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