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一体改革法案の大きな目玉の一つが、各都道府県に消費税増収分を財源とする約904億円の基金(公費)を設けたことだ。今後は都道府県知事のもと、病床機能再編や医師確保が行われることになる。また、看護師には「医行為の拡大」、「退職した場合の届け出制度」が盛り込まれた。

基金は、消費税増収活用分544億円、その他上乗せ360億円から成る。都道府県が策定する医療計画と介護保険事業計画を一体的に進めるため、(1)医療提供体制の改革に向けた基盤整備(2)在宅医療・介護サービスの充実(3)医療従事者等の確保・養成、のために配分される。地域にとって必要な事業に適切かつ公平に配分するため、国は基本方針を策定し、対象事業を明確化。透明性を確保するため協議の仕組みを構築する。

病床機能報告制度により、医療機関は各都道府県知事に医療情報を報告しなければならない。その上で都道府県知事は無駄なく効率的に資源を活用できるよう地域医療構想(ビジョン)を策定。ビジョンに基づき病床機能再編を行い、病床を高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つに分ける。

都道府県知事の指示に従わない場合、病院の指定を取り消される、基金を受け取ることができないなど厳しい措置がとられることになる。これにより、病床機能再編を推進。最も手厚い7対1一般病棟を2025年までに18万床へと半減させることで医療費の大幅減を目指す。

また医療介護従事者の確保、医療機関の勤務環境改善のため都道府県ごとに指針を策定。医師確保支援を行う地域医療支援センターの機能を法律に位置付ける。都道府県知事は、医師が不足する地域病院に対して、医師の派遣や近隣の医療機関に対して医師確保の協力を要請することができるようになる。

さらに、看護師確保も喫緊の課題であるため、看護師等免許保持者に対し、医療機関を離職した場合、住所、氏名など各都道府県ナースセンターへの届け出を行う制度を創設。医師の医療行為の一部を医師の手順書により行う「特定看護師」の研修制度も開始する。

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