独立行政法人国民生活センター(東京都港区)は9月11日、2013年度の認知症高齢者の消費者トラブル件数が1万件を超え過去最高となったと発表した。同センターでは「家族や周囲による『見守り』と『気づき』がトラブル防止のためには重要」としている。
80歳以上の相談 全体の6割以上
全国の消費生活センターに寄せられた60歳以上の認知症高齢者の相談件数は、2005年度に住宅リフォームの訪問販売に関する相談が増えたことなどで前年度比32%増の8890件に急増。その後は減少し2008年度には6760件となっていた。
しかし、2009年度以降は上昇に転じ、昨年度は1万1499件と初めて1万件を超えた。特に80歳以上の相談が占める割合は、2004年度には全体の約37%だったのが、2013年度には66%と急増しており、「認知症などの高齢者においてトラブルの高齢化が急速に進んでいる」と同センターでは分析している。
センターに相談をしてくる人の8割は家族や訪問ヘルパーなど本人以外で、本人は判断能力の低下などから被害にあっていることに気付かないケースが大半。
センターでは「独居高齢者の場合などは周囲のサポートがなければ被害が潜在化してしまう恐れが高い。また1人の高齢者が次々と被害にあう可能性も高い」として、周囲の人が「不審な健康食品などがないか」「自宅に同じような商品が大量にないか」「通信販売のカタログやダイレクトメールなどが大量にないか」「預金通帳などに不審な出金の記録はないか」など、異変に気づくことが重要と訴えている。
また声掛け等の確認を行うと共に、何かあった場合には各地の消費生活センターなどに相談することや、通話録音装置などの防犯アイテム利用を検討することを勧めている。
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