兵庫県は今月13日、カジノや麻雀、パチンコなどを主な介護予防活動としているデイサービスや入所施設に対する規制に踏み切った。「カジノ型デイ」に対する規制は、神戸市に続いて全国で2例目、都道府県としては初。先月規制に踏み切った神戸市はデイサービスのみを規制対象としているが、兵庫県は特別養護老人ホームや介護老人保健施設も規制の対象とする。
近年カジノや麻雀、ルーレットやパチンコなど娯楽性のある設備を活用して介護予防を図るデイサービスは増加傾向にある。県内には現在、遊技をメインとする施設はないものの、今年7月に「遊技メインの施設を開設したい」というオファーを受けたという。
今回県が規制するのは、デイサービス・通所リハビリテーションなどの居宅サービス、介護予防デイサービスなどの介護予防サービス、特養におけるサービス、老健におけるサービスだ。規制内容としては以下。
(1)機能訓練として利用者の射幸心を煽るおそれや依存性が強くなるおそれのある遊技について日常生活を逸脱して提供してはいけない
(2)依存性が強くなるおそれのある疑似通貨を提供してはいけない
(3)居宅サービスの計画内容を超えた不要なサービスを提供してはいけない
(4)賭博や風俗営業を連想させる外観・内装・設備にしてはいけない
(5)施設の名称や広告についても賭博や風俗営業を連想させてはいけない
特養や老健の規制については、遊技メインのスペースを設け、1日中そこで活動してもらうなどのサービス内容を想定しているという。
「一日の大半を麻雀やパチンコなどの遊技に使われるのは、介護保険本来の趣旨に則っていないと考えています」と、県の健康福祉部高齢社会局介護保険課の斉藤芳樹課長は語る。また、介護保険サービスの大半を遊技に充てることで利用者をギャンブル依存に陥らせるおそれがあるという懸念も背景にある。
介護予防デイについては、各市町村が新総合事業に移行するまでを期限として設けている。移行後は、各市町村に対して規制への働きかけを促す。また、姫路市、西宮市、尼崎市についても、県への協調を呼びかけている。
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