グローバルスタンダード(群馬県桐生市)は、日本初の機能訓練用パチンコ台を開発し、主にデイサービスや福祉施設向けにレンタルサービスを今月から本格開始した。リハビリや認知症予防用として提案を進めていく。
同社では今年9月より、従来のハンドルを回してパチンコ玉を打ち出すのではなく、足元にあるパッドを踏むことにより玉を打ち出す「介護予防パチンコ台」の試験導入を開始。このパチンコ台のパッドにはセンサーがあり、左右交互に踏み込むことで反応するため、しっかりとした歩行訓練になる。
実際に施設での利用が開始された結果、一定の効果を得ることができた。一方、施設運営者や理学療法士と連携し、1回に1つの運動をするのではなく、運動動作を複合的に(手と足を同時に使う)行うことにより、さらに効果的に利用できるのではないかという提案を受けた。
試験導入から得た現場の声を受け、運動動作を複合的に行えるよう、器具の種類を増やし、現在問題とされている認知症予防にも効果が持てる商品へ改良。「介護・認知症予防用パチンコ台」は、「音楽を聞く」、「球を目で追う」という聴覚や視覚を使う行動による一定のリラックス効果やリハビリ効果がある。「体を動かす」という運動動作を加えることにより、聴覚・視覚・運動動作という3つの作業を同時に行うことが可能となった。
自然な状態で身体機能を高められることで、自然と運動時間も長くなり、楽しみながら継続できる効果がある。パチンコ台機種については50種類以上の中から選べる。同商品は現在特許出願中。
導入施設では「最初5分しか継続できなかった利用者が、10分、20分、30分と長く利用することができるようになった」(イリーゼ川越南古谷デイサービスセンター)という。
価格は月額1万円~(税別)(1年以上契約の場合)。6カ月毎に台の入れ替えサービスがあり、修理は無料。
近年、新たな福祉用娯楽器具として老人福祉施設への遊技機の導入が増えている。しかし、福祉施設に遊技機を導入するにあたっては、神戸市の規制対応で話題になったカジノ型デイサービスなど、本来の介護の目的とは離れたアミューズメント目的となってしまうことが問題として挙げられている。同社ではこの問題にいち早く取り組み、アミューズメント目的とは異なるアプローチから福祉施設に機能訓練用として遊技機の導入を促すための商品開発を行った。
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