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 医療法人社団和啓会(東京都文京区)は11月、松戸にある介護付有料老人ホームの運営を承継した。現在4割程度の入居率だが、看護師常駐、重度者の受け入れなどの特色を訴求することで、地域での知名度のアップを図っていく。スタッフは承継前の体制を引き継ぐ。

 ホームの名称は「サンセット豊夢」。松戸市河原塚に位置し、1999年に開設した。建物は4階建て、居室は73室。居室面積は有料老人ホームとしては広めの20平米から21平米台。ミニキッチンも完備している。

 1階に診療所を併設。施設内には看護師が24時間常駐しているため、胃ろうやIVH(中心静脈栄養)、在宅酸素など重度者の受け入れが可能だ。

 「比較的要介護の軽い方から重度者の入居、さらには看取りまで対応できる」(施設長・金山善哉氏)。

 食事は自社の栄養士の監修のもと施設内で調理。カロリー制限や塩分制限、嚥下の状態に合わせたソフト食などにも対応。2・3階に食堂を配置している。浴室は要介護状態に応じて、3階の機械浴と個浴を利用する。今後、入浴サービスの向上や効率化を図るため、個浴を改装する計画。

 同法人は今春、同じ松戸市内で介護付有料老人ホームを承継。75%程度だった入居率を数カ月でほぼ満室の状態にした実績を有す。今回のホームでもそのノウハウを最大限活用し、積極的な営業活動を推進する計画。松戸市や隣接する市川市などの地域紙に入居募集広告を展開することで、地元での知名度の向上を図る。

 スタッフは非常勤含め約50名。8名の看護師、栄養士3人が在籍。ほぼ全員、前運営法人から引き継ぐ。

 同時にスタッフへの教育にも注力。1階の阿部クリニックとの連携はもちろん、運営母体が医療法人であることを売りに重度者の受け入れもこれまで以上に訴えていく。協力歯科医療機関による嚥下・口腔リハビリにも積極的に取り組む。

 またエントランスや1階ホールの見栄えにも配慮。「明るいイメージを演出するため、花や備品に工夫を凝らした」(金山氏)という。

 入居費用も一新。通常プランの場合、入居金はゼロ、月額利用料は家賃、管理費、食費で合計25万7000円台。入居一時金プランは3つ用意。入居金が300万円の場合、月額利用料は21万7000円台、入居金450万円の場合、月額19万7000円台、入居金750万円の場合、月額15万7000円台。

 同ホームは約700坪の敷地を有し、桜やねむの木が地域のシンボルとなっている。ミカンやイチジクなどの果樹、草花が植えられた庭園も整備し緑豊かな環境で過ごせる。周辺に高い建物がないため、屋上からは松戸市街が一望できる。

 入居者の平均年齢は91歳で、特定施設としては千葉県内で3位、市内ではトップを誇る。

 和啓会は2005年に設立。関東圏、関西圏で在宅医療や訪問看護、居宅介護支援事業所を展開。6ヵ所ある在宅療養支援診療所はすべて高齢者施設に併設。関東圏・関西圏の30ホーム約1000名の他、個人宅の患者約150名に訪問診療を実施している。

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