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 賃貸マンションの建設・管理などを手がける進和グループ(堺市)は、初めて運営までグループ内で行うサービス付き高齢者向け住宅「雅庵」を今月2日堺市内に開設した。開設の狙いや今後の高齢者住宅事業の展開などについて西田芳明代表に話を聞いた。

昨年にデイ開設 ノウハウ蓄積

──運営まで自身で手がけようと思った理由は。

西田 今年末の時点で、高齢者住宅の建築実績は40棟程度になる見込み。介護業界との付き合いも増えていく中で、介護サービス事業者の中には財務体質がぜい弱なところが少なくないと実感した。今後、当社が建設する高齢者住宅においても運営事業者の倒産・撤退などのケースが出てこないとは言い切れない。そうなった場合に建物オーナーへの影響を最小限にするためにも当社がフォローに入れるようにしておくべきと考えた。昨年、リハビリ特化型の小規模デイを開設し、介護保険サービス事業の運営ノウハウを身に付けたことで、建設から運営までグループで一貫して対応できる体制が構築できた。

──開設したサ付き住宅はどのようなものか。

西田 居室数は28で、グループ企業のサムズアップが運営する訪問介護事業所が併設されている。居室は19平米前後が中心。費用は家賃が5万円から、共益費が1万8000円、食費が4万5000円、生活支援費が1万5000円。2月16日時点で契約2名・予約2名だが、内覧会を行っていない日にも近所の住民が連れ立って見学に来るなど反響は上々だ。近隣にはサ付き住宅が少ないこともあり、3ヵ月後には満室にできると見込んでいる。

個性派物件で他社と差別化

──今後の事業展開は。

西田 自身で運営する高齢者住宅を4~5棟は新規開設したい。また、今後は経営が厳しい高齢者住宅も増えていくことが考えられるので、それらの運営を承継するなどして、高齢者住宅事業規模を拡大させていきたい。介護保険サービス事業については別会社を立ち上げて手がけることも考えている。

──どの様な住宅を開設・運営していく考えか。

西田 1棟1棟違ったコンセプトやテーマで展開していく考えだ。元々当社は賃貸マンションでも、特定の層の入居ニーズに応じる「カテゴリーマンション」を数多く手がけてきた。高齢者住宅もその一環で「多彩な暮らし方・新しい暮らし方」を提供するという考えに立っている。さらに今後は、高齢者住宅の中でも「多彩・新しい暮らし」を提供し、差別化を図る必要がある。
 例えば特定の疾患を対象にするなど、1件ごとに知恵を絞りたい。毎回同じ様な物を造っていたら、社員も刺激が無く面白くないだろう。

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