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 厚生労働省は3月10日、2015年度に指定取消・効力停止処分を受けた介護保険サービス事業所は227件で、前年度より12件増加、過去最多を記録したと発表した。内訳は指定取消が119件、指定効力全停止が42件、指定効力一部停止が66件。

 

 指定取消件数を都道府県別に見ると、大阪府が最多で25件、次いで青森県の11、神奈川県の10、兵庫県の9など。北海道や東京都など23都道県でゼロとなった。因みに介護保険制度創設以降の累計指定取消件数は1347件。都道府県別で最多は大阪府の120件、2位は東京都の99件。最少は富山県の2件。

 サービス種別では訪問介護が83件で最多。以下通所介護52件、居宅介護支援28件など(グラフ参照)。これらの事業所の処分件数が多い点について、介護サービス事業者フィルケア(東京都千代田区)の福元均副社長は、3月14日に行われた高齢者住宅フォーラム(高齢者住宅新聞社主催)で「単純に『これらのサービスは事業所の数が多い』ということもあるが、参入障壁が低く、容易に開業できることも原因ではないか」と分析している。

 指定取消処分に至った主な事由としては、不正請求が最も多いが、指定取消件数全体に占める割合はここ数年減少傾向。逆にここ数年で伸びているのは虚偽答弁や法令違反、人員基準違反など。

 また、指定取消事業所のうち、介護給付費の返還対象となったのは144件で、総返還請求額は5億5500万円。このうち実際に返還されたのは2億4600万円と半分以下。2000年度からの累計では、総返還請求額189億5700万円に対し、実際に返還されたのは91億6800万円と、やはり半分以下。

 厚生労働省総務課介護保険指導室では、自治体に対し「運営基準違反や介護報酬の不正請求は、利用者に著しい不利益が生じるのみならず、介護保険制度の信頼を損なうものである。不正が確認された場合には、厳正な対応をお願いする」と要請している。

 

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