名古屋市で末期がん患者に特化したサービス付き高齢者向け住宅(サ付き住宅)「ナーシングホームJAPAN」などを運営してきた吉田豊美氏が、看護師の起業を支援する事業を開始した。「とよみサロン」として、様々なサービスを行っていく。
05年訪看設立 8月に事業譲渡
吉田氏は、もともと看護師として病院に勤務。2005年に訪問看護ステーション「ナースコール在宅センター訪問サービス」を開設した。
2008年には吉田氏の夫が建物を建設・保有する形で末期がん患者に特化した高齢者専用賃貸住宅(当時)ナーシングホームJAPANを設立、2013年には同じく名古屋に同様のモデルで難病高齢者も対象としたサ付き住宅「ナーシングホームOASIS」を立ち上げ、介護・看護の他、見守りや生活相談などといった入居者向けの各種サービスをナースコール在宅センター訪問サービスが提供してきた。
しかし、訪問看護ステーション立ち上げから10年の区切りとなったことを受け、ナースコール在宅センター訪問サービスをカイロス&カンパニー(神奈川県小田原市)へと譲渡していた。
「次に何をやろうか考えたときに、思い出したのが、自分が病院勤務の看護師から起業していろいろと苦労した点でした。今後、訪問看護事業所などを立ち上げるなど看護師が起業するケースも増えるでしょうが、私の経験を元にそうした人たちを様々な形で支援して行けたらと考えたのです」
セミナーなど メニュー多彩
こうして、新会社ライフデザインOを設立。「とよみサロン」として、自身のノウハウや経験などを公開・共有する場を提供していく。
メニューは、ネット上でのオンラインサービスとして、吉田社長がユーザーからの質問に答える「一問一刀」、経営者のみが参加できる会員コミュニティ「医療介護掲示板」、週1回の経営レポート開示「とよみのミカタ」などを予定。
一方ネット上以外でのサービスとしては、各種セミナー「実写版とよみサロン」の開催、医療・介護業界の人脈作りを目的にした「経営者懇談会」、良質な施設やユニークな事業所を見学するツアー「出張とよみサロン」などを行う。ネット外サービスについては一部有料としていく。
「私自身、訪問看護ステーションを立ち上げたものの、スタッフの看護観がバラバラなど、様々な問題に直面してきました。そうした中でも様々な工夫や周囲の協力などにより10年間ビジネスを続けることができ、2棟のサ付き住宅は利益率40%を維持しました。みんなと一緒にこのビジネスモデルを全国に広げていきたいと思います」
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow @kj_shimbun