旭化成ホームズ(東京都千代田区)は、高齢者住宅運営事業に本格参入する。要介護者を対象にしたサービス付き高齢者向け住宅「Villageリーシュ」(以下・リーシュ)を立上げる。また、リーシュの運営管理を行う100%出資子会社「リーシュライフケア」を新たに立上げた。
10月練馬に第1号
看多機などを併設
複数介護事業所併設前提に企画
同社では、健常またはフレイル期の高齢者向け賃貸住宅として「ヘーベルVillage(以下・Village)」を首都圏で展開。今年3月末時点で、35棟・464戸を供給している。土地所有者に建物を建ててもらい旭化成ホームズで借り上げ、高齢者に賃貸する仕組み。バリアフリー対応など高齢者の居住に適した住宅となっているが、食事などのサービス提供は行っていなかった。
今回新たに立上げた「リーシュ」は同一建物内に複数の介護所を併設することを前提とした設計になっている。居室面積は19~21平米。今後は半径3キロ圏内に「Village25棟に、リーシュ1棟」の割合で供給し、どのような身体・健康状態になっての同一エリア内で居住継続が可能な体制を整えていく考えだ。
リーシュの第1号物件は、今年10月に練馬区内にオープン予定。物件名は「Villageリーシュ上石神井」。居室数は53。建物内には看護小規模多機能型居宅介護事業所、訪問介護事業所、訪問看護事業所、居宅介護支援事業所が併設される予定。土地・建物は旭化成ホームズが所有。事業主はリーフライフケアだが、実際の運営はやさしい手(同目黒区)に委託される。
今後の展開について、旭化成ホームズ広報室では「東京23区内で『Village』の供給に注力したい、と考えているエリアは15あります。2025年までに、その全エリアに『リーシュ』を開設することが目標です」とコメントする。
今回の上石神井と同様に、土地・建物は自社所有を基本とし、入居者へのサービス提供は外部の介護事業者に委託していく考えだ。
大和ハウス工業、積水化学工業、ミサワホーム、住友林業など大手ハウスメーカーの多くは、高齢者住宅の運営や介護事業を子会社など自前で行う体制を整えている。今回の旭化成ホームズの参入で、ハウスメーカーの競争はさらに激化することが考えられる。
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