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技術活用で生産性向上を
SOMPOケア(東京都品川区)は、2019年度以降を第2フェーズとみなし、さらなる人材獲得・育成の強化や、「データドリブン経営」による生産性向上などに取組むという。4月1日付で同社会長CEOに就任した笠井聡氏に今後のビジョンを聞いた。

4月にデータ戦略部新設
──新生SOMPOケアのスタートから約1年が経ちました。
笠井 昨年7月にSOMPOケア(旧SOMPOケアメッセージ)、SOMPOケアネクスト、ジャパンケアサービス、プランニングケアの4社を合併。新生SOMPOケアとして新しいスタートを切りましたが、合併に先立ち、4月から全国を4本部に分けた地域本部制を導入。地域別の状況・変化にスピード感を持って対応し、在宅介護から施設介護まで、ワンストップで提供できる体制を整えました。機動性のある組織となったことで、フレキシブルな人材活用と、市場ニーズや戦略に応じたグループ経営資源の有効活用を図り、より一層の利便性向上を図りました。

──人材育成面では。
笠井 社員が働きやすく、やりがいを持って働ける職場にすることも大切な使命です。「現場ファースト」の考え方のもと、人材育成に力を注ぎ、企業内大学「SOMPOケア ユニバーシティ」を関東・関西それぞれに開校。大学や専門教育機関との連携により、共同研究・共同事業も始めています。また、昨年3月には「SOMPOケアFOODLAB」を開設。食事や栄養に関する企画・商品開発に加え、スタッフの学びの場として、「食」への取組みを強化。利用者の健康状態をサポートする体制を拡充させています。

──今年度から新たなステージを目指すそうですね。
笠井 19年度以降を第2フェーズとみなし、「未来(23年)の介護サービス実現」、「健康寿命ソリューションの提供」の2つを事業戦略の柱として掲げました。その実現に向けて、人材獲得・育成や生産性向上に力を入れます。

──具体的には。
笠井 人材獲得については今年10月頃に実施される予定の特定処遇改善加算とは別に、介護職員を中心とした処遇改善を実施します。目標として介護福祉士の処遇を各地域でトップ水準にすることを掲げます。また、介護職員の地位向上に向けた処遇改善準備を行います。

現場スタッフの処遇改善については、全員を水平に上げるのではなく、一定のメリハリを設けて未来に期待が持てるような処遇改善にしたいと考えています。

──処遇改善に充てる費用は。
笠井 サブリース不動産の自社保有を進めるなどの不動産戦略の強化などを行い、保険外収益部分の拡充に努めます。その利益増大分や、生産性向上効果による収益アップ分などを、職員の処遇改善におけるコストアップ分に対応させます。

──生産性向上については。
笠井 2月にオープンした最新技術実証実験施設「FutureCareLabinJapan」などを活用し、デジタル技術活用・タスク分析に力を入れ、膨大なデータを収集・蓄積します。そのデータを基にして事象の予兆や実態を見抜くことで次の一手に繋げる、データドリブン経営を目指しています。そのため、今年4月にデータ戦略部を社内に新設しました。データ分析専門部隊として全国8万人の現場・リアルデータを使用したデータマネジメントシステムの構築・活用を行っています。

──今後は。
笠井 健康寿命ソリューションの提供については、既存の自社サービス「認知症保険」(MCIと判断された場合に保険金を受け取れる生命保険)や、「SOMPO笑顔倶楽部」(MCI早期発見に向けた認知症関連サービスの提供)などの利用を呼びかけていきます。また、RIZAPと連携した認知機能低下予防が期待されるプログラムの実証実験や、スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究などを通じて開発したツールの展開、ユマニチュードの導入検討などを予定しています。

最大手の介護事業者として、国への提言も含めて、業界全体の活性化に繋がる取組みを積極的に展開してゆきたいと考えています。

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