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---今からでも遅くない賢い介護技能実習生の活用術---

開始1年、活性化してきたベトナム

4月からスタートした新在留資格「特定技能」では、フィリピン・マニラで第3回までの試験が終わった。現時点では7月上旬の第5回までが公表されているが、フィリピン以外での開催予定はない。そんな中、介護職種の技能実習生でここ最近活性化してきているのがベトナムだ。ほぼ毎月現地入りしていると、変化の様子が見て取れる。

現在介護職種の実習生を日本に送り出せる機関は、ベトナム国内で13機関といわれる。昨年6月に動き始めた当初の6機関からは、大きくは増えていない。
「遅れている」と言われていた、日本へ渡るために必要な「推薦状」が、認可済みの送出し機関数が少ないことも幸いし、現時点では3週間程度しか待たずに発行されているようだ。そのため、来日するベトナム人も現在では非常に増えている。かつては「本当に日本へ行けるのか?」との声もあったが、こうした状況は、心配の声を鎮めるには十分な状況といえよう。

現状13ある送出し機関以外に、既に認可の内示をベトナム労働局から受けている機関も相当数あるようだ。間もなく追加発表される見込みで、数が増えればベトナムにおける実習生の動きはさらに活性化するだろう。送出し機関の認可を受けることを前提に、実習生を集めている機関もあると聞く。このようにベトナムでの技能実習送出しが活性化すれば、実習生を受け入れやすくなるし、実習生として入国した3年後には、相当数の特定技能候補者が生まれることになる。そのため、事前準備のないまま拙速に特定技能取得者の受け入れに取り組むよりも、まずは実習生を育て上げる方がより確実な取り組みと考えられる。

また、日本国内の受入企業側からも、ベトナム人の技能実習生を求めるニーズは根強く、ベトナムでの面接は非常に活性化している。現地の日本語学校の中には、介護職種の実習生候補者専用の寮を備えている機関もある。ベトナム現地での面接を予定している場合、日本語学校や、寮の視察を必ず実施し、受入時の生活環境づくりに役立ててほしい。
次回はインドネシアの状況をお伝えする。

 

庄司孝正プロフィール
ライフケア医療介護事業協同組合 専務理事
1999年から大手企業グループで介護保険制度スタートに伴う新規事業立ち上げプロジェクトに参画。以降およそ20年にわたって介護業界に身を置き、施設運営や企業経営などに従事。2017年からライフケア医療介護事業協同組合の専務理事を務めている。現在は監理団体での外国人技能実習制度に関する業務に携わるほか、介護分野における同制度の普及・啓発に向けた活動を行う。

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