前田組(大阪府寝屋川市)は、このほど高齢者向け住宅商品を企画。今年から土地資産家などに積極的に建築提案を行っている。一昨年社内に立ち上げた高齢者住宅紹介事業との連携も図る。
商品名は「ソワニエ」。木造2階建てが標準で、建築面積は490平米、延床面積は965平米ほど。これまで建築した高齢者施設や土地活用・注文住宅分野で培ったノウハウを最大限に投入。品質の規格化やハイグレードな設計に成功した。大阪府北部・中部の施工に対応する。
居室は18平米タイプ・30室が基本。PHS連動の呼出システムを採用。スタッフはどこにいても呼び出しを受けた部屋を確認でき、通話が可能。床は車いす対応の塩ビシート仕様。巾木を幅広とすることで車いすによる壁のこすり傷を軽減した。
エレベーターは9人乗りタイプで、操作盤は車いすに座ったまま操作ができる。トイレは車いすが転回できるサイズ。L型手すり、跳ね上げ手すり、大型の手洗い器を設けた。浴室は介助を必要としている人が安心して利用できる2020タイプが標準。三方向から介助が行えるため、スタッフの負担軽減にも役立つ。
居室の扉は上吊引戸を採用。下部レールがないため、段差がなくつまずき防止に配慮した。屋根には高断熱仕様の素材を用いた。
オプションで高断熱窓、腰壁・コーナーガード、洗面化粧台、機械浴槽、見守りカメラ、バルコニー、太陽光発電システムの設置も可能。
「ローコスト化を図った規格商品だが、地域特性や個々のニーズにも柔軟に対応する」(土地活用営業部医療福祉営業課担当課長・荻野徹氏)。
年間10棟受注へ
同社では一昨年から社内に「高齢者住まいの相談センター」(高住センター)を設置。有料老人ホームや高齢者住宅を探す人たちにニーズに合ったホームを紹介。特定のホームと資本関係が一切ないため、利用者本位の公平な立場で情報提供している。見学会などを頻繁に開催し介護事業者との関係を深めている。
「介護事業者と土地オーナーのマッチングにも強みを発揮する」(荻野氏)ことで年間10棟の高齢者住宅受注を目指す。
同社では土地活用から注文住宅、不動産売買まで総合的な建設・不動産事業を展開。20年ほど前から特別養護老人ホームなど福祉施設の建築に注力。介護保険施行以降は特養をはじめ、有料老人ホーム、グループホーム、小規模多機能型居宅介護など幅広い建築実績を有している。
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow @kj_shimbun