第115回社会保障審議会介護給付費分科会が11月19日開催され、ショートステイ長期利用の場合において報酬を減算することや、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(以下・24時間サービス)と複合型サービスにおける加算を包括報酬外で算定するなどの方向性が示された。居宅介護支援においては、特定の事業者へサービスが偏る場合に減算が適用される特定事業所集中減算の基準をこれまでの90%以上から引き下げる。
特定事業所加算 算定要件見直し
【居宅介護支援】
これまで「1月あたりの平均居宅サービス計画件数が20件以下の小規模事業者である場合」などの例外を除き、正当な理由がない場合は減算していた。「質のいい事業者に利用者が集中するのはやむを得ない。地方は事業所数が少ないため別途配慮が必要だ」(鈴木邦彦委員・(社)日本医師会)との意見もあったが、現在対象となっている訪問介護、通所介護、福祉用具貸与から訪問看護などにも適用を広げる。
厚労省は、福祉用具貸与のみケアプランについて、業務負担が軽減されていることを踏まえ減額。また認知症加算・独居高齢者加算については基本報酬に包括化する方向だ。
それに対し、質の高いケアマネジメントを実施している事業所を評価する「特定事業所加算」(?・?)については、柔軟に評価する意向だ(図参照)。主任介護支援専門員などへの人員配置要件の強化や、人材育成への協力体制の整備、これまでの要介護3~5の者が占める割合が半分以上の要件を緩和する。
【24時間サービス 複合型サービス】
24時間サービスや複合型サービスのような包括報酬サービスは、区分支給限度額内では使いにくいという状況となっている。そのため「総合マネジメント体制強化加算(仮称)」や「訪問体制強化加算(同)」「看護体制強化加算(同)」のような加算を限度額の対象外に位置付けることで調整している。
長期利用者の基本報酬引下げ
【ショートステイ】
(社)日本介護支援専門員協会などの調査によると、ショートステイ事業所における利用者において「実質1ヵ月以上の利用」が54・1%であり、また最長での利用期間として365日以上と回答した事業所は26・7%だった。
これらを踏まえ、ショートステイ長期間の利用者には基本報酬を引き下げる。さらに基準緩和や小規模多機能の空床利用など柔軟な運営を認めるほか、ADL・IADLの維持・向上を目的として機能訓練を実施している事業所の人員配置体制、手厚い健康管理及び医療機関との連携を図っている場合も報酬を手厚くする。
【グループホーム】
グループホームは、夜間の支援体制の充実を図るための夜間ケア加算や、看取り介護加算などを手厚くする。さらに同一建物に併設できる施設・事業所、現行では1または2と規定されているユニット数についても「標準で3ユニットまで」とする。
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