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 介護業界の人手不足解消の処方箋について意見を聞く連載企画。今回は、トヨタすまいるライフやケアパートナー、はとバスなどで介護研修を行う、人材育成会社アモールファティ(東京都豊島区)の羽吹さゆり代表に話を聞いた。

「誰しもが必要とする施設に」

――人材を確保するために、どのような方策が考えられますか。

羽吹 介護未経験者を採用している事業者は多いですが、実際に未経験者のフォーローアップ研修を行っている事業者は少ないと感じます。「介護はプロでなくてもできる仕事」という認識で現場に入る未経験者はいます。そこで、利用者にこのようなアプローチをすればこのような反応が返ってくるといったプロの技を教えることで、場当たり的な喜びではなく、必然的な喜びに変わっていくでしょう。そうすることで、ケアへの挑み方が変わってくると思います。小さな成功体験を積み重ねていけるような教育体制を構築すべきです。

――職員以外へのアプローチとしては。

羽吹 介護の魅力を知ってもらい、高齢者施設が地域に溶け込む必要があります。そのためにも、施設は高齢者のみにとって必要なのではなく、地域住民にとっても必要であるという認識を持ってもらいましょう。例えば、地域の人に施設のトイレを自由に使ってもらったり、何かあれば子供たちが駆け込める子供110番の施設だったり、車椅子を無料で貸し出したりすることで、誰にとっても身近な存在になります。図書館や児童施設が減ってきている今だからこそ、施設が地域に溶け込み、介護士が身近な存在になることで、その姿を見た子供たちが介護士になる夢を持つことができるのではないでしょうか。

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