学研ココファン(東京都品川区)は10月11日に「サ高住戦略セミナー」を都内で開催した。これまでに高齢者住宅102拠点を運営してきた知見や、事業方針を紹介。当日は建設や金融関係の企業から約140名が参加した。
第1部では、同社の五郎丸徹社長がサービス付き高齢者向け住宅事業のポイントとして、介護オペレーションやビジネスモデルに合った設計の必要性を強調した。
具体的に同社では、自立型を標榜するサ付き住宅には、30平米以上の居室面積を備えていることや、延べ床面積におけるレンタブル比を高くしつつも、食堂と廊下を効率よく組み合わせた、広く見える空間づくりなど、住環境向上に繋がる設計に取り組んでいることを紹介した。
また、居室パターンも増やしていることを説明。介護型の居室でも、キッチンや浴室を備えた部屋や、夫婦で入居できる居室などを揃えていることに触れ、「今後は『18平米、50戸』の紋切り型の住宅だけではなく、多様なニーズに対応した住宅が必要」と語った。
第2部では、同社が9月に開設したココファン藤沢SSTについて、設計管理を担当したシスケア(東京都新宿区)の設計グループが説明。同物件は、19ヘクタールの敷地を有し、公園や商業施設を盛り込んだFujisawa サスティナブル・スマートタウンの内部にある。「多世代・地域交流」「持続可能性」といった街のテーマに合わせて、サ付き住宅のほか一般向け賃貸や学習塾・交流スペースなどを複合させた設計を紹介した。
その後のパネルディスカッションでは五郎丸社長のほか、同社の事業本部湘南事業部の阿部和子部長、シスケアの太田裕之社長、高齢者住宅新聞社社長の網谷敏数が登壇した。安定して利益を出す事業者と、赤字事業者に2極化しつつあるサ付き住宅事業について、「参入前にターゲット選定と戦略を組むこと」「設計のバリエーション」が事業の鍵となるなど、運営者、設計・コンサルの立場から意見が交わされた。
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