厚生労働省は2日、「終末期医療に関する意識調査検討会報告書」を発表した。自身の終末期医療について、半数以上の一般国民が家族との話し合いをしていないことが明らかになった。
1989年より5年毎に実施しているこの調査は一般国民や医師、看護師、介護老人福祉施設の介護職、施設長(以下、医療福祉従事者)を対象に行っているもの。今回は、1万8800人を対象に行い、回収数は6902(36・7%)だった。
自身の死が近づいた場合に、受けたいもしくは受けたくない医療について、一般国民の55・9%が家族同士で「まったく話し合ったことがない」と回答。年齢が高くなるほど、また、身近な人の死別経験があるほど話し合う者が多かった。
身近な人との死別経験が無い若者にとってはまだ実感がわいていないということと、最終段階における医療について、具体的にどのような選択肢があるのかを知らない可能性があることが問題としてあげられた。
判断できなくなった場合に備えて、事前に意思表示の作成をしておくという考え方については、70%の一般国民が賛成している一方で、実際に作成しているのはそのうちの3・2%にとどまった。
また、終末期の者の治療方針については「抗生剤服用や点滴」「水が飲めなくなった場合の点滴」はすべての医療福祉従事者で「すすめる」という回答の割合が高かった一方、「抗がん剤等」「中心静脈栄養」「経鼻栄養」「胃ろう」「人口呼吸器の使用」「心肺蘇生措置」はすすめない割合が高かった。
施設の職員に対し、人生の最終段階における医療に関する教育・研修を「行っている」のは、介護老人福祉施設が最も高く56・3%だったのに対し、病院では28・4%だった。
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