まごころ(埼玉県上尾市)は泊まりが可能な民家型の小規模デイサービスを運営。看護師が常駐し重度者にも対応している。企業内幼児教室を併設し、高齢者と子供の共生ケアを実践。今月から小学生対象の学童倶楽部も手掛ける計画だ。
上尾市の住宅街にある「孫心・まごころ」は民家型・定員9名の小規模デイサービス。昨年9月に開設し、登録は男性5名、女性3名の8名。毎日6、7名が利用している。利用者は病院の退院を経た要介護3以上の重度者が中心。
「利用者は特養待ちの人がほとんど。特養に入居できても、大きな施設の中で埋もれてしまうのが心配」(共同代表の坂本絵里氏)。
大人数が苦手、少人数でゆったりしたいという利用者に民家ならではの自然な環境を提供。車いすを利用していた人が通っているうちに自立したり、茶碗を一人で支えて食べられるようになったり機能回復は目覚ましい。
泊まりは最高5人まで。平均4、5人が毎日利用している。月から金までのウィークデイ、あるいは土日の週末のみの利用が多いが、1週間連続の利用者にも対応する。
事業所内には看護師が常駐。服薬管理や胃ろう、在宅酸素、インスリン、カテーテルなど様々な処置に対応。浴室にはリフト浴を用意した。
認知症ケアやQOLの向上にも努める。立ち上がり訓練や歩行訓練だけではなく、買い物、料理、掃除、趣味活動などを通し、「どこまでできるのか、どこまでお手伝いすればできるのかしっかり観察している」。
泊まり料金は夕食、朝食、おやつ、洗濯代を含み1泊1500円。昼食はおやつを含め500円で提供する。食事はスタッフが自前で調理する。
企業内幼児教室の運営がデイサービスの高齢者に共生ケアの効果をもたらしている。「近くに子供の声がするだけで雰囲気がガラッと変わる。無口な利用者が、子供がいることでおだやかになってくるのが分かる」。
企業内幼児教室の定員は5名。サービス提供は8~21時までで、1日・半日コースの他、1時間ごとの利用にも対応する。現在0歳児から6歳までの幼児を預かっている。
「既存のグループホーム、デイサービスなど、どこにも当てはまらない事業所を目指し、家族の生活を変えていきたい。どんな方にも対応できる地域の駆け込み寺的な役割を果たしていければと思っている」(坂本氏)。
看護師1名を含む7名の体制。うち子供がいるスタッフが3名おり、企業内幼児教室を利用。働きやすい環境がスタッフの定着に奏功している。
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow @kj_shimbun