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 医療法人、社会福祉法人、学校法人などを擁するアゼリーグループ(本部・東京都江戸川区)は、中国・国務院との高齢者介護に関する事業提携を受け、7月から8月にかけ山東省の各都市の福祉施設を視察。担当官僚と意見交換を行った。国務院では欧米諸国の福祉事業者とも同様の提携を締結。今後5ヵ国が一堂に会した報告会やシンポジウムを北京で開催する予定。

 国務院では世界銀行の要請を受け、中国国内の高齢化問題に対処するため、アメリカ、イギリス、スウェーデン、イタリア、日本に現地福祉施設の視察、福祉施策の提言を依頼。10月の報告会、来年初頭に行われる予定のシンポジウムで各国が北京に集まり調査結果を発表する。

 今回アゼリーグループでは、山東省にある民間・公立の高齢者施設、障害者施設、デイサービスなど10ヵ所ほどを視察。同時に市の職員や研究員と意見交換を行った。

 視察団の団長を務めたアゼリーグループの宮森達夫氏(アゼリ―学園・東京リハビリテーション専門学校副校長・学科長)によれば、中国側が求めた意見は、「日本の介護保険制度の状況」、「民間企業が成長した経緯」、「在宅ケア重視に移行した経緯」、「人材養成」など。「山東省では既に独自の介護保険制度を実施しているが、日本の制度との違いに大きな関心があったようだ」(宮森氏)。

 中国国家老齢工作委員会のデータでは、現在中国全土の「失能・半失能(日本の要介護3~5に相当)」の高齢者は3300万人だが、2020年には6100万人と予測。高齢者介護対策は「社会の安定と調和の取れた発展に関わる重要課題のひとつ」としている。

 また中国政府は在宅中心の政策に舵を切っている。地域コミュニティの社区が在宅ケアの一翼を担う。今回アゼリーグループは、住民台帳を制作しサービスに活かす社区の取り組みも視察。「社区のコミュニティでは、電球が切れた、水漏れが発生したなどの問い合わせに即座に職員が対応する体制が整っている」(宮森氏)という。

 アゼリーグループは、国内で特別養護老人ホーム、ケアハウス、医療機関、学校法人を運営。パワーリハビリテーションの導入や人材育成のノウハウに実績がある。

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