有料老人ホームなどのヘルスケア施設に特化した不動産ファンドの組成・運用を行うAIPジャパン(東京都港区)は今月5日、社名をAIPヘルスケアジャパンに変更した。社名変更の狙いや今後の事業展開についてA・バリー・ハーシュフェルド・Jr代表に話を聞いた。
――今回の社名変更の狙いは。
バリー ヘルスケア施設に特化した事業を展開している、という点を明確にするのが狙いだ。当社は先月5日に上場した国内初のヘルスケアリート「日本ヘルスケア投資法人」とアドバイザリー契約を結んでいる。ヘルスケアファンドの運営には、不動産・金融・介護・医療に関する幅広い知識やノウハウが必要だ。単に不動産ファンドを運営しているのではなく、ヘルスケア施設に特化していることを前面に出すことで、他社との違いを明確にすることができる。
――ヘルスケアファンドの課題は。
バリー 日本では、高齢者施設は土地所有者が相続税対策で建設・保有しているケースがほどんどだ。そのため「ファンドに売却する」ことが経営上の選択肢になりづらい。ファンド運営側からすると、他用途の不動産に比べて物件の取得・投資規模の拡大が難しい、ということになる。
――その解決策は。
バリー 既存施設を購入するのではなく、当社で新たに施設を開発し、それをオペレーターに賃貸するという方法が考えられる。今後は、こうしたビルド・トゥ・スーツ(BTS)型の投資も有望だ。この方法であればオペレーターの要望に沿った施設が造れるし、一般住宅・商業施設など他用途物件と複合・併設した大型物件の供給も可能だ。
――そのためには物件の新規開発を行うオペレーターと同等のノウハウも必要となる。
バリー その通りだ。そこで大手介護事業者で開発業務を経験したスタッフを複数名雇用するなど人員体制を強化している。また、高齢者住宅運営事業者の団体、高齢者住宅経営者連絡協議会にも加盟した。こうした活動を通じて主要オペレーター各社との関係をさらに強めていく。
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