東京都杉並区は自治体間連携により、静岡県南伊豆町に特養を整備することを決めた。本紙12月17日号でも報じたとおり、特養待機者解消を目的に自治体の圏域外に特養を整備することは全国で初めて。2017年度に開設する。
12月11日、杉並区と静岡県、南伊豆町が特養整備の基本合意を締結。
かねてより杉並区は、区立施設があり、つながりがあった南伊豆町での特養整備を検討しており、厚生労働省による「都市部の高齢化対策に関する検討会」でも議論が重ねられてきた。現行の介護保険制度では自治体の圏域以外に特養を整備することは認められていないものの、検討会のとりまとめでは施設整備が厳しい事情を鑑みて圏域外の特養整備が容認された。
区によると特養入所希望者は1800人に達し、そのうち半数が入所の必要性が高い。今後さらに入所希望者は増加する一方で、特養の建設地確保が難しくなり、圏域を越えた施設整備は都市部が抱える共通の問題として注目されていた。
特養の定員は100名(ショートステイ含む)。そのうち50%を杉並区民の定員とし、待機者の優先度合いが高い人で移住をしてもいいという人から入居する。来年度に運営法人の公募を行い、2016年度に着工する見通し。デイサービスなど併設サービスについては今後の協議で検討する。
田中良杉並区長は「都市部の急速な高齢化は深刻な問題で、圏域外の特養整備は、この問題に一石を投じるものであり、また、都市部と地方の双方にプラスになる自治体間連携の先駆的モデルとしても大きな意義のある取り組みだ」とコメントしている。
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