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 社会福祉法人基弘会(大阪市)はこのほど、介護費用をクレジットカードで支払えるサービスを開始した。特別養護老人ホーム入居者の利便性を高めるとともに、介護費用や家賃などの未収対策として取り組む。ビジテラス(東京都品川区)が開発したシステムを導入した。

 ソフトバンク子会社と提携し商品化。介護費用や食費、居室料などの支払いにクレジットカードを利用できる。介護施設がケアプランに基づいて毎月の費用を概算し、事前に利用者の与信枠を決定。実際に利用したサービス分だけ決済する。事前与信をとることで、債権はクレジットカード会社に移管され、本人が払えなくとも、カード会社から入金が実行される。

 2月から登録を開始。現在入居者13人ほどがカードの利用を希望。入居者の反応も見極めながら、順次カード利用者を拡大していく。

 利用できるクレジットカードはVISA、マスター、ダイナースクラブ。クレジットカード決済に登録できるのは、本人か2親等以内の親族。登録はインターネットを利用。遠方に住む家族でも施設に来ることなく、支払い登録を行える。

 介護施設で導入する場合、初期設定料、システム使用料とも無料。月額手数料として6980円(毎月固定)、売上金額の3・9%、トランザクション件数1件につき10円がかかる。

個浴で入浴ケア

 基弘会は大阪市生野区で介護事業を展開。2002年の一般デイサービスと認知症デイサービスを皮切りに、訪問介護、居宅介護支援事業所を開設。2012年には100床(うちショートステイ10床)の特別養護老人ホーム「夢の箱」をオープンした。

 特養は1フロア2ユニットの合計10ユニット。各ユニットで大阪の長屋をイメージしたデザインを採用。機械浴は全く導入せず、すべて個浴での入浴ケアを実践している。

 職員向けの介護技術研修やゼミ形式の研修にも注力。専門家を招き、毎月2日かけ一般向けとプロ向けの介護技術指導を行っている。ゼミ形式では感染症、認知症、レクリエーションなどの講座を11ほど設け、毎月開講。法人全体の研修も毎月行っている。

今春、複合施設開設

 今春にはクリニック、通所リハ、総合リハビリスタジオ、ショートステイを併設した施設を新設。介護予防、リハビリなどのサービスを重点的に手掛け、在宅復帰を促進する。

 クリニックは整形外科、内科などを掲げ、社会福祉法人が運営。総合リハビリスタジオは約410平米のスペースを確保し、柔道整復師、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士などのスタッフがサービスを提供する。ショートステイは2フロアで各フロアに11床を設ける。全室にトイレを装備するなどアメニティを充実したホテル仕様が特色。

 さらに生野区内で運営する既存のデイサービスを改装し、地域交流スペースを設ける計画。地域住民に対し、喫茶やマッサージなどのサービスを提供する方針だ。

 「地域に密着して?予防??リハ??終末期?に重点を置きサービスを提供していく。これまで特養が終末期の方の受け皿となっていたが、新たな施設で予防やリハにも注力する」(川西収治本部長兼施設長)。

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