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 「やわらか食」や、血圧・血糖値の上昇を抑える高機能の介護食品などを取り入れている医療・介護施設が1割にとどまっていることが、農林水産省による調査で明らかになった。介護経営者と消費者の理解が進んでいないことが普及の課題になっている。

  同省では、医療・福祉分野と食料・農業分野が連携する「医福食農連携」を提唱。機能性食品・介護食品の開発・普及や農業と福祉の連携などを進め、国産農産物の消費拡大につなげる狙いだ。

 全国の医療・介護施設で働く管理栄養士やケアマネジャー、介護職員のほか介護事業経営者1400名余りを対象に昨年9、10月に調査した。

 医福食農連携に取り組んでいる施設は1割程度と少ないが、今後「取り組みたい」と回答しているのは、5割以上と高い関心がうかがえる。特に管理栄養士やケアマネジャーなど現場職員が6~7割と高い一方で、介護事業経営者は4割程度と差が開いた。

 取り組みたい内容は、現場職員は「高齢者向けやわらか食」「減塩食品の利用」「栄養調整食品の利用」を挙げる割合が高く、介護事業経営者は「高齢者の介護予防や健康づくりに農作業を活用した取り組み」「地域の食材を活用し、体にいいレシピの普及」に関心が集まった。

 医福食農連携に取り組む上での課題を聞いたところ、現場職員は「経営者の理解」との回答が5割以上と最も多かった。一方で介護事業経営者の4割は「消費者の理解」を課題に挙げた。そのほか、「食品・食材の価格」「どのような事業者と連携できるかわからない」との回答も目立った。

 同省は「医療・福祉分野が食料・農業分野との連携を進めるには、連携先を見つけるための情報のプラットフォームが必要だ」との見解を示した。

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