厚生労働省は3月30日、「有料老人ホームを対象とした指導等の状況フォローアップ調査」の結果を発表した。2014年10月31日時点での未届有料老人ホーム数は昨年より50件多い961件であることが明らかになった。
この調査は、老人福祉法で施設名や管理者などを届け出ることを義務付けられている有料老人ホームに該当しながら、届出が行われていない施設の指導の状況について、都道府県からの報告を基にまとめたもの。
昨年10月31日時点で、届出済み有料老人ホームは9941件、未届有料老人ホームは961件。約1割が届出をしていなかった。
2013年10月31日時点の未届有料老人ホームは911件だったが、そのうち6割強が改善されず、依然として未届のまま。調査を始めた2009年の未届率は7・4%で、その後2012年までは5%以下に改善されたが、2014年に2倍近く増加している。
また、同調査では前払い金の保全措置状況についてもまとめた。保全措置が義務付けられている施設のうち、9・3%が保全措置を講じていないことが明らかとなった。
これらを踏まえ、厚労省は各都道府県および指定都市、中核市に(1)届出促進のための取り組みの徹底、(2)有料老人ホーム事業者に対する前払金の保全措置が必要であることの周知徹底、(3)前払金の保全措置を講じていない事業者に対して、改善に関する取り組みを速やかに行うよう指導するとともに、検査の拒否や改善命令に対する違反などを行った事業者に対しては罰則適用を視野に入れた対応を徹底することを要請した。
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