堺市は今年度から介護者のレスパイト(休息)をサポートする「お節介やさかいプロジェクト」を開始した。介護の基本的な知識を身に付けた「さかいお節介士」を養成し、介護者への声かけや見守りなどを行う。同市では2012年度からレスパイト事業も手掛けている。
「『さかいお節介士』とは介護の基本的な知識や介護者支援について学ぶとともに、身近にいる介護者への声かけや見守りなど、ちょっとした手助けをする応援者」。
こう語るのは堺市の職員、三井節子氏。同市では2012年度からレスパイト事業に着手。「レスパイトで介護力アップ」を普及啓発するとともに、日本エルダーライフ協会代表理事の柴本美佐代氏が提唱する「お節介士」の理念を採り入れることで、レスパイト事業を推進している。
「さかいお節介士」の養成講座では、柴本氏が講師を務め、その役割や介護保険を利用する前の準備と利用のポイントを学べる。認知症や住まい、介護生活にかかる費用、保険外サービスなど、家族と同じ視点に立ち専門用語を使わずに世間話の延長で情報提供する。
「身近な人や顔見知りの人が声かけしたり、見守ったり役割は様々。できる事をできる範囲で取り組んでもらいたい」(三井氏)。
これまで「さかいお節介士養成講座」を3回実施。受講者は介護職員、民生委員、老人クラブ会長、家族介護者の会のメンバーなど多様で、「毎回定員の30人を超過している」という人気ぶりだ。
既に132人の「さかいお節介士」が誕生。養成講座の受講後にはお節介士同氏が勉強会を設け、切磋琢磨している。12月に4回目の養成講座を開催する。
「さかいお節介士」は、介護のことを語り合う「レスパイトを考える会」や「レスパイトカフェ」、介護者のために設けられたインターネットラジオなど市内の様々な活動に参加。
また同プロジェクトの一環として堺市役所で「さかい介護スマイルデイ」を10月24日に開催。介護する人と介護される人がモデルとなって登場するファッションショーを催す他、噺家が落語なども披露する。
「お節介士による様々な取り組みで介護される人を自発的に支えていこうという意識が徐々にだが高まっている。今後も住民が活動しやすいように行政がきっかけづくりをしていきたい」(三井氏)。
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