厚生労働省は特養や特定施設、小規模多機能型居宅介護などの在宅・施設サービスの整備目標を、これまでより6万人分引き上げる考えを示した。アベノミクス新3本の矢のひとつである「介護離職ゼロ」に向けたもの。
20年代初頭目処 40万人分を整備
これは、11月12日に開催された「第2回 一億総活躍国民会議」で塩崎恭久厚生労働大臣が示したもの。
特養・老健・特定施設(ケアハウス)・認知症グループホーム・小規模多機能・看護小規模多機能については、2020年までに現在の供給量プラス約34万人分の整備を計画しているが、それに6万人分のサービスを前倒しし、上乗せ整備する。
また、それに向けて都市部など用地確保が困難な地域における施設整備の支援を拡充する。具体的には定期借地権の一時金の支援拡充、合築や空き家の活用などを掲げている。
加えて、特養について、都市部では建物賃借でも運営が可能にすることや、合築の際の設備の共用などの規制緩和を行う考えを示した。
また、整備の前倒しに伴い、介護人材の確保策についても発表。具体的には(1)再就職準備金貸付など、離職した介護・看護職員等の再就職支援(2)修学資金貸付など、介護職を目指す学生の増加・定着支援(3)雇用管理改善による離職防止・定着促進などに取り組む優良事業所のコンテスト・表彰の実施、など。
さらに、介護現場へのロボット導入支援や、業務上の書類の削減など、介護職者の負担を軽減させ生産性を向上させるための方策も示した。
また、国土交通省は11月13日、「住居専用地域であっても住民に訪問介護・看護サービスを提供するために設置できる事業所」の一覧を示し自治体に通知した。
訪問介護・看護・入浴・リハ(病院・診療所以外のもの)、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護など(介護予防も含む)の介護保険サービス事業所及び、それに相当するサービスを提供する事業所については、騒音の発生などで近隣の居住環境を害する恐れが無いものは設置が可能とした。
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