空き家を活用したまちづくりについて話し合う「リノベーションまちづくり学会2015in大阪」が11月28日・29日に大阪市立大学で開催された。大学教授や建築・不動産関係者、行政関係者らが参加し、実際にコミュニティ再生に取り組んでいる地域などを視察した。
参加者は、コミュニティ再生事業「泉北ほっとけないネットワークプロジェクト」の対象地域となっている堺市南区にある泉北ニュータウンの槇塚台地区を視察。泉北ニュータウンの高齢化率は29・6%と、堺市全体の高齢化率を約4%上回っている。
ニュータウンは公的賃貸住宅が半数以上を占めている一方で、空き室が多くその有効活用が課題となっている。同プロジェクトは国交省のモデル事業で、大阪市立大学や堺市などが共に取り組んでいる。
社会福祉法人美木多園はニュータウン内の府営住宅で空き部屋となっている住戸をバリアフリーに改修し、サポート付き共同住宅「美樹の園」として活用。6室をサポート付き共同住宅として運営しており、原則2人1組で住んでもらう。1室に24時間見守りスタッフが生活しており、ニーズがあれば緊急時や見回りなどを行うサービスを提供する。
一泊利用も可能
美樹の園は1泊2日から利用できるショートステイ、月単位で利用できるロングステイ、サークル活動など1日使用できるデイユースから選択可能。部屋は3種類あり、ショートステイの場合は1日1800円(見守りなし)~4000円(見守り付き)。ロングステイの場合は月4万2000円(見守りなし)~8万6000円(見守り付き)。デイユースでは10時~17時まで使え、1人500円から。
入居対象者は原則60歳以上。現在、夫婦、親子、単独者2名の3組が利用している。「運営5年目になりましたが、今まで待機者が出たりしたこともありました。最長で3年半住んでいる利用者がいます」(美樹の園・林直樹管理者)
介護保険外サービスとして、宅配弁当やリネン交換、掃除、洗濯などのサービスを受けることもできる。美樹の園の近辺にはコミュニティレストランや病院、デイサービスなどがある。
プロジェクト先導者の一人であるNPO法人すまいるセンターの西上孔雄代表理事は、「空き家をリノベーションし、シェアハウスや、主婦や高齢者を雇用するコミュニティレストランを整備しました。半径500メールの徒歩圏内で住民の生活を支えるサービスを提供します」と話す。
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow @kj_shimbun