スポンサーリンク

 一般社団法人日本ケアラー連盟(東京都新宿区)は、18歳未満で家族などのケアを行っている「ヤングケアラー」に関する調査を行った。こうした体系的な調査が行われるのは日本では初のこと。

実態が見えず対応が後手に

 ケアをする人が18歳未満の子どもだと「介護のために就学・就職の機会が損なわれる」「介護に関する知識や情報収集力が十分でなく、公的な支援を受ける機会を損なうことが多い」などの問題が生じやすい。 しかし、日本国内ではヤングケアラーに関する明確な定義が無いこともあり、正確な実態が把握できていなかった。

 今回の調査は、新潟県南魚沼市教育委員会の協力を得て、同市内の公立小中学校・総合支援学校の全教職員を対象に実施。今年1~2月に無記名アンケートを行い、全体の60・8%に該当する271人が回答した。

 まず「ヤングケアラー」「ケアを担う子ども」「若年介護者」などの言葉を聞いたことがあるのは25・5%。「自身が教職員として関わった児童・生徒の中で『家族のケアをしている・しているのではないか』と感じた子どもがいる」と答えたのは25・1%。

 「家族のケアをしていると感じた子どもがいる」と回答した教職員に「どうしてそれに気付いたのか」を尋ねたところ、最も多かったのは「子ども本人との会話」で46・1%。そのほかは「遅刻や早退、欠席の理由から」「他の教職員からの引き継ぎ」「家庭訪問」「子どもがケアをしている場面を実際に見た」となっている。
 また、「そうした状況を知った際の対応時に、他の機関との連携を行ったか」では「無かった」が50・8%と「あった」の32・3%を大きく上回った。

 こうした点について、同連盟では「学校の教員も、気になる児童・生徒としてその存在を認識しているものの、十分に支援することが難しい状況にあることが示された」とし、(1)学校をヤングケアラーの発見・認識をすることができる機関として位置付ける(2)早期発見・早期支援・継続支援に向けて学校・福祉・医療の連携体制を地域に築く、ことなどを提唱している。

この記事は有料会員記事です。
スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう