公益社団法人認知症の人と家族の会(以下・家族の会/京都市)は、「昨年4月の介護保険制度改正・介護報酬改定で、介護保険サービス利用者・家族に費用負担の増加、サービス利用抑制などの重大な影響が起こっている」として、改正の撤回を求める要望書を4月22日に厚生労働大臣に提出した。
家族の会では、全国の支部を通じて、昨年4月の制度改正・報酬改定による利用者やその家族への影響を調査した。
その結果「介護報酬が引き下げられたことにより、小規模な介護事業所の経営が悪化した。事業を縮小したり廃業したりするケースもあり、これまで使い慣れた介護サービスを受けられなくなった」「要介護1・2の人が特別養護老人ホームに入居できず、途方にくれている」「自己負担額の2割への引き上げや補足給付の厳格化によって毎月の介護費用が増えた。施設からの退去などサービス利用を抑制せざるを得ない」などの声が多数寄せられたという。
家族の会では「こうした切実な声は、決して特別の事例ではない」とし、要望書では以下の4点について訴えている。
●要支援者に対する訪問介護・通所介護を介護保険から外すことを撤回し、引き続き介護保険の給付の対象とする
●介護保険サービス利用時の自己負担2割への引き上げ(年間の年金収入280万円以上)の撤回
●特養入居対象者を要介護3以上に限定しない
●施設入所者の食費・部屋代補助(補足給付)の要件を2015年7月以前に戻す
なお、家族の会では6月に実施する総会以降に、現状を踏まえた上での新しい要望書を厚労大臣に提出することを検討している。
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