東京都は、特養の整備に関する補助の対象を拡大する。規制緩和により新たに認められた「賃借特養」についても補助対象とし、特養の整備を促進させる。こうした取り組みを行うのは、全国でも都が初となる。
この「賃借特養」は、都の提案を受けた国が規制緩和を行い、今年7月27日より可能となったもの。これまで、特養の開設に際しては、運営する社会福祉法人が建物を所有することが条件となっていたが、一定の要件を満たせば他者が保有する建物を賃借して運営することが可能となった。特養開設に際し、社会福祉法人は多額の費用を用意しなくても済むため、開設が進むことが期待される。
今回、都はこの賃借特養についても、従来の特養と同額の補助を行う。補助額の計算方法は左図のとおり。
一例として、文京区で看護小規模多機能型居宅介護と認知症グループホームを併設した100床の特養を整備する場合は、〈(基準単価500万円+併設加算50万円)×促進係数1・5+高騰加算100万円)〉×100床で9億2500万円の補助額となる。
また、従来の特養ではこの補助は社会福祉法人に対し行われるが「賃借特養」では整備者、つまり建物の保有者に対し行われるため不動産デベロッパーなどにとっては大きな収入となる。補助要件などは、これまでの保有型特養と同様。
「これまでも、土地所有者への土地有効活用提案策として、サービス付き高齢者向け住宅などの高齢者施設が用いられるケースが多々ありました。賃借特養が可能となったことで、特養もそのメニューに加わることになります。更にそれを整備補助の対象としたことで、特養整備による土地活用が広がることを期待しています」(東京都福祉保健局高齢社会対策部施設支援課武田文彦課長)
補助希望者の計画書受け付け締切日は第1回が10月21日、第2回が来年1月13日。
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