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ヒューマンホールディングス(東京都新宿区)のグループ会社で介護・保育などの事業を手掛けるヒューマンライフケア(同)では、デイサービスの機能拡充や人材育成・定着に取り組んでいるほか、24時間の在宅介護基盤拡充の推進にも着手している。4月に新社長に就任した、瀬戸口信也社長に話を聞いた。

── 地域包括ケアシステム構築に向けて。

瀬戸口 地域包括ケアの要ともいえる訪問・在宅の役割は過小評価される傾向にあります。そうした局面に際し、全国に105ヵ所を展開するデイサービスにおいて、今後は拠点数よりもサービス内容を充実させていく方針です。

当社は訪問介護事業所も20ヵ所運営していますが、登録ヘルパーが多くを担う事業モデルは厳しいと言わざるを得ません。ボランティア・未経験者が担う新総合事業についても、事業として成り立つとは考えにくいと思います。重要なのは既存の担い手の活躍であり、デイの機能拡充だと考えました。

── 具体的には。

瀬戸口 例えば、送迎のシステムを利用して買い物代行の機能を担うことなどが検討できます。また、家事支援における洗濯は、デイにランドリー室を設けて行うことができますし、お掃除ロボットのレンタルなどを通した掃除の支援も可能です。今後のデイは週に数回通うだけの場所から、より生活に踏み込んだ在宅サービスを提供できる存在に進化していく必要があります。

また、現場のOJTなどにも活用できるICT・IoTの分野を強化しながら、業務効率化とともに「既存事業の機能拡充」を推進しています。推進にあたり、ヒューマングループとしてM&Aを行ったヒューマンデジタルソリューションズなどのIT事業会社とも連携していきます。

── 人材育成・定着の取り組みについて。

瀬戸口 ヒューマングループの強みは「教育」です。限られた人員でサービスの質向上や機能拡大を図るには、「一人前になるまでの期間をいかに短くするか」が重要です。介護業界では3年・5年で一人前という風潮がありますが、他業界と比較してもこれには違和感を覚えます。当社では社内資格「マイスター制度」を教育者の育成に活用し、拠点の中で教え、学ぶ仕組みを構築しています。志高い人の定着率を高め、ケアの品質向上に努めます。

── 今後の展望は。

瀬戸口 小規模多機能型居宅介護事業所を含む24時間のケアを積極的に推進していきます。今後、首都圏では川崎市や横浜市、さいたま市などにおける小多機・グループホームのドミナント展開により、M&Aも視野に入れながら一定の広域を耕していく方針です。

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