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厚生労働省は6月27日、「国民生活基礎調査」の結果を公表した。調査は昨年6月~7月に実施。要支援・要介護の認定を受けた全国の7573人に状況を聞き、6790人から回答を得ている(熊本地震の影響を考慮し熊本県全域は対象外)。親などを自宅で介護している家族のうち自身も65歳を超えている人が54.7%と過去最高を更新し、老老介護の問題は深刻化している。

老老介護の世帯は、3年前の前回調査より3.5ポイント増加。75歳以上同士の組み合わせの世帯も1.2ポイント増の30.2%となった。要支援・要介護者のいる世帯は、核家族世帯が37.9%で最も多く、次いで単独世帯が28.9%。単独世帯と核家族世帯の割合は上昇傾向にあり、三世代世帯の割合が低下している。一方、要介護度の状況は、単独世帯では要介護度の低い人のいる世帯の割合が高く、核家族世帯と三世代世帯では要介護度の高い人のいる世帯の割合が高くなっている。

介護が必要となった主な原因をみると、「認知症」が18.0%で初めて1位になった。前回トップだった「脳血管疾患」は16.6%で2位。3位は「高齢による衰弱」で13.3%だった。要介護度別にみると、要支援者では「関節疾患」が17.2%で最も多く、次いで「高齢による衰弱」が16.2%。要介護者では「認知症」が24.8%で最も多く、次いで「脳血管疾患」が18.4%となっている(表参照)。

担い手は60代3割で最多に

主な介護者は、要支援者・要介護者と「同居」が58.7%で最も多く、次いで「事業者」が13.0%。同居の主な介護者の要支援者・要介護者との続柄は、「配偶者」が25.2%で最も多く、次いで「子」が21.8%、「子の配偶者」が9.7%だった(図参照)。また、同居の主な介護者を性別にみると、男性34.0%、女性66.0%で女性が多く、年齢別では、男女とも「60~69歳」が28.5%、33.1%と最も多かった。

同居の主な介護者の介護時間を要介護度別にみると、要支援1~要介護2までは、「必要なときに手を貸す程度」が多くなっているが、要介護3以上では「ほとんど終日」が最も多かった。介護時間が「ほとんど終日」の同居の主な介護者は、男性が約3割、女性が約7割。続柄では、女性の「配偶者」が最も多く、次いで女性の「子」、男性の「配偶者」の順だった。

 

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