公益財団法人介護労働安定センター(東京都荒川区)は8月4日、「2016年度介護労働実態調査」結果を公表。今回の調査は昨年10月、全国の1万8000事業所を対象として行ったもので、約半数の8993事業所から有効回答を得ている。
介護職員数の過不足状況を見ると、「不足」と考えている事業所は62.6%で、2015年度調査より1.3ポイント増加。介護職員が「大いに不足」と答えたのは8.6%、「不足」が23.1%、「やや不足」が30.9%で、いずれも15年度を若干上回った。不足している理由については、「採用が困難」が73.1%、「事業を拡大したいが人材が確保できない」が19.8%、「離職率が高い」が15.3%となっている。採用が困難な原因(複数回答)は、「賃金が低い」が57.3%、「仕事がきつい(身体的・精神的)」が49.6%だった。
介護サービスを運営する上での問題点については、「良質な人材確保が難しい」が55.3%、「今の介護報酬では人材確保・定着のために十分な賃金を払えない」が50.9%となっている。
2015年10月1日から16年9月30日の1年間の離職率は16.7%。離職理由(複数回答)は、「職場の人間関係」が23.9%、「結婚・出産・妊娠・育児のため」が20.5%、「職場の理念や運営に不満」が18.6%で、「収入が少なかった」は16.5%だった。
国は2015年度以降、介護人材確保に向けて「介護職員処遇改善加算」を拡充しているが、人材確保について十分な効果が出ているとは言えない。厚生労働省は今月開く審議会で、このテーマを俎上に載せる予定。次期介護報酬改定をめぐる議論に大きな影響を与えそうだ。
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