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厚生労働省は3日、「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」を開催した。議論の内容を踏まえ、終末期医療を受ける患者の意思決定支援やそのための普及活動に向け、10月に意識調査を実施する。3月に報告書をまとめる方針。

一般国民や医療・介護従事者を対象にした本調査は1992年以降、5年に1度実施されている。今回は2012年同様、一般国民、医師、看護師、特別養護老人ホームの職員・施設長のほか、新たに介護老人保健施設の職員及び施設長を1000人ずつ加えた2万3500人を対象とする。

今年の6月には「経済財政運営と改革の基本方針」の中で、医療従事者による相談対応の充実、住民への普及啓発を進めることを閣議決定している。

国は今後、(1)先進事例の共有や資料作成を通じた住民向けの啓発・普及、(2)在宅医療・救急医療の連携、(3)医療機関、での相談対応の充実、の3点に力を入れていく方針だ。厚労省が示した過去の論点には、医療費削減を目的とした議論ではなく終末期の患者のQOL向上を目的として在宅での医療・介護の不安感をやわらげること、地域に応じた文化・体制づくりが重要であることなどが併せて明記されている。

神戸大学大学院医学研究科特任教授の木澤義之構成員は患者・家族と医療従事者が、患者の価値観や意思を共有したうえで今後の治療や療養について話し合う「アドバンス・ケア・プランニング」の手法を紹介した。これは、患者の意思表明が難しい段階になっても意向を尊重した医療を提供するための取り組み。この際、早期からの緩和ケアを行い、患者が病気と向き合う時間を確保するほか、QOLを保ち、適切な精神状態において意思を確認していくことなどを提言した。

検討会は12月に調査結果を踏まえて国民に対する普及啓発の在り方について論点を整理していく予定。

 

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