社会保障審議会医療保険部会は4日、2018年の診療報酬改定に向けた検討事項及び骨太の方針2017や経済・財政再生計画会議での指摘事項について議論した。改定については「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」を重点課題と位置づける。松原謙二委員(日本医師会副会長)は在宅医療の提供体制について、「一人の医師の負担が大きすぎるから広がらない。複数の診療所が協力して患者を支えるべき」と発言した。
特に骨太の方針等で言及された検討事項は、中医協等でも議論されている外来時負担について。厚労省の調査によると、昨年、紹介状無しの大規模病院の外来受診について、初診時患者から5000円以上徴収することを義務化されているが、結果として受診人数は2・9%の減少しか見られなかったという。松原委員が「初診だけではなく、状態が良くなった再診時に地域に返すことが重要ではないか」と指摘すると菅原琢磨委員(法政大学経済学部教授)も、「この制度は勤務医負担を軽減するために始まったもの。再診患者に着目した仕組みは必要」と同調した。かかりつけ医の普及については「そもそもかかりつけ医の定義が一般に浸透していない」(白川修二委員・健康保険組合副会長)など、かかりつけ医を起点にした制度の方向性を議論する前に、かかりつけ医の定義の整理や普及が優先事項だという意見が多かった。
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