AGGホールディングス(名古屋市)は、高齢者住宅・施設建築で豊富な実績を持つゴールドトラスト(同)と、運営を行うゴールドエイジ(同)の両輪でシニア事業を拡大してきた。
ゴールドエイジが運営するサービス付き高齢者向け住宅は東海エリア最大戸数となる約1000戸。今年は年間7棟255戸を開設するほか、サ高住運営の新モデルを構築し、運営に専念したいという介護事業者に対して、パートナー募集を本格化させている。
──今年の開設状況は。
樋口 2017年1月~12月の期間で7事業所、255戸を開設します。有料老人ホームも含めると、23拠点で約1100戸の運営規模になり、クリニック併設型や病院との連携強化型、デイサービス併設型などのサ高住を運営しています。
──サ高住運営のパートナー募集を始めたそうですね。
樋口 これまでは、グループのシナジーを活かしてサ高住を新規開設してきました。ゴールドエイジでは「人財ありき」の観点から社員教育を充実させ、新規開設時に社内スタッフを館長やリーダーなどの要職に就かせ、活躍の場を与えています。施設が増え、役職ポストも豊富になることは、スタッフのモチベーションを高めるためには効果的ですが、新規開設ペースを早めることができません。そこで、「サ高住運営に専念したい」という事業者に対してパートナー募集を行っています。
──募集の内容は。
樋口 パートナー募集の案件は、土地・建物・融資済みで、家賃の借上保証は当社が行います。契約解除が法的にも困難で長期契約となることの多いサブリース契約による借上リスクを負う必要はなく、解約時の高額な違約金、代行斡旋などの負担や縛りはありません。また賃料は、入居済み分の家賃支払いだけとなるため、開設準備から運営が軌道に乗るまでに発生する借上賃料などの資金負担が軽減できます。さらに、実際の入居済み家賃の上限を85%とすることで、満室となった場合の残り15%の家賃相当分はパートナー事業者の売上になります。
──具体的には。
樋口 例えば、定員30名のデイ併設型のサ高住で、テナント家賃を20万円、募集家賃を5万6000円、損益分岐入居を70%とする場合、月158万円の借上資金が必要になります。しかし当社のパートナーモデルの場合だと、テナント賃料20万円に入居済み分の家賃支払いだけとなり、かつ満室運営ができれば、15%の家賃相当分でテナント賃料は実質無料になります。
──加盟金などの費用は。
樋口 あくまでもパートナーとしての付き合いですから、加盟金やロイヤリティーなどはありません。今後の介護報酬改定では、報酬が上向くとは考えられません。そのため、初期投資のリスクを抑え、参入障壁を低くすることが競合に打ち勝つ第一条件になるのではないかと考えています。
──今後は。
樋口 サ高住に対する風当たりが強くなっていますが、地域に必要とされているサ高住もたくさんあります。当グループでは、これまで培ってきたノウハウと、運営のスケールメリットを活かして、提供するサービスや建物の「質」を下げずに「経費」を削減し、より良い介護を目指します。看取り型、自立支援型、医療特化型など、本当に必要とされるサ高住を、パートナー事業者とともに提供していきたいと考えています。
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