課題解決へ、厚労省に提言
2025年には700万人を突破すると言われている認知症者の課題について、あらゆる研究機関や法人らが対応を加速させている。先月16日には「認知症医療介護推進会議」が厚生労働省に提言書を提出、一方で今月15日にはイギリス発の「日英認知症会議」が日本で初開催されるなど、その取り組みはさまざまだ。
国立長寿医療研究センターの鳥羽研二理事長が会長を務める「認知症医療介護推進会議」は、医療・介護の「連携推進」とロボットやICT、薬などの「技術革新」に焦点を当てて2つのワーキンググループを設置、昨年10月~12月にかけて議論を行ってきた。
15日に「日英認知症会議」
今回加藤勝信厚生労働大臣に提出した提言では、認知症当事者の視点で支援を進めていくこと、本人の能力を生かした地域での共生を目指すことなどを基本に据え、「職種・機関間の連携推進」を図るべきとしている。
この実現のため、国および都道府県、市区町村においては「責任主体の明確化」「地域資源・データ等の活用」「認知症者・家族を支える連携に対する報酬上の評価」などに取り組むべきとしており、同会としては「多職種間の共通認識の醸成」「当事者ニーズの整理」「認知症のアウトカム評価の研究」「ロボットやICT、創薬等の開発および活用」に着手する。今後、認知症医療介護推進フォーラムにおいて技術革新の現状を伝える公開講座を開催し、所属団体を通じた情報提供の仕組みの構築、情報提供に伴うアフターフォロー体制の構築に取り組んでいくという。
SOMPOやベネッセ登壇
今や認知症者への対応は、一部の先進国にとどまらず世界に共通する課題になりつつある。中でもイギリスでは、産業・医療・政策立案のエキスパートを集めたWorld Dementia Council(WDC)を組織し、国家の枠組みを超えた包括的な認知症対策を推進している。このWDCの会合「第1回日英認知症会議」が3月15日、都内の六本木アカデミーヒルズで開催される。
当日は国内外から産官学の専門家を招いた基調講演のほか、日本の認知症対策や国際連携を議論するセッションなどを実施し、SOMPOホールディングス介護・ヘルスケア事業オーナーの奥村幹夫取締役らが講師として登壇、Social&Care分科会ではベネッセスタイルケアベネッセシニア・介護研究所の福田亮子主任研究員も登壇する。議長は政策研究大学院大学の黒川清名誉教授が務める。
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