厚生労働省は19日、生活援助中心型の訪問介護について、要介護度に応じた1ヵ月当たりの利用回数の基準案を明示した。これによると、要介護3で最も多く43回、次いで要介護4で38回。この公表と同時に、パブリックコメントの受付も開始した。
厚労省が基準案 要介護3で1ヵ月あたり43回を利用回数上限に
「厚生労働大臣が定める回数及び訪問介護(仮称)」の新制度は、ケアプランにおいて生活援助中心型の訪問介護の利用回数が国の基準を上回る場合、作成担当のケアマネジャーが市町村に届け出る義務を負うもの。届出を受けた市町村は、地域ケア会議の開催などによりケアプランの検証を行う。なお、届出対象の範囲を4月に示した上で、6ヵ月の周知期間を経て10月より施行予定だ。
今回示された利用回数の基準案では、要介護度別の「全国平均利用回数」と「全国での利用回数の標準偏差に2を乗じた回数」を足した回数を基準としている。
この新制度が示された背景には、財政制度等審議会や社会保障審議会にて昨年示された利用状況の調査結果より、「1人当たりの平均利用回数は月10回程度だが、月31回以上の利用者が2万4748人おり、中には月100回を超えて利用しているケースもある」として、「生活援助中心型訪介の回数が通常の利用状況と著しく異なるケアプランは、市町村が確認・是正を促していくことが適当」との方向性が示されていたことがある。
4月17日必着でパブコメ募集も
なお、これに関するパブリックコメントの受付を行っている。提出方法は電子政府の総合窓口(e‐Gov)の意見提出フォームもしくは郵送、FAXにて、4月17日必着のこと。
なお、「月100回の訪問」については、「平均すると1日3回程度となり、ヘルパーが食事介助と服薬管理に訪問するだけでも、当然の訪問回数」と考える声もある。昨年の第152回社保審においては、「訪問回数の多い利用者への対応(自治体調査結果)」を公表しており、調査対象48件のうち46件は「『適切な利用』と自治体が判断している」といった言及もなされている。
サービス受給者の約8割を占める独居高齢者の在宅生活を維持できている点などへの評価と合わせて、必要なサービスが途切れてしまうことのないような制度新設が望まれる。
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