経済産業省は4月9日、「将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会」報告書を発表。介護現場の担い手不足の解消に向けて「介護サポーター」の導入を提案した。
担い手不足解消に
経産省、報告書で
今回検討されたテーマは大きく2つ。(1)社会参加を中心とした介護予防の推進、(2)介護サービスに対する高齢者を中心とした就労促進による人材の確保だ。
2016年3月に取りまとめた報告書では、「介護機器・IT活用による介護サービスの質・生産性の向上などを進めていくことが必要」と提言していたが、今後の介護需要の増大はそれだけでは対応しきれないとし、高齢者の社会参加を増やすための「介護サポーター」の導入を提言。経産省は「介護の担い手確保とともに、高齢者の社会参画を促すことで心身の健康を保つ効果が期待できる」とコメントしている。
一方で報告書では、高齢者が参加したい活動がなかったり、地域にどのような活動があるのか分からないというミスマッチのほか、高齢者の希望や健康状態に応じた対応、長期的に継続できる形で提供する必要性などを指摘している(表)。
今改定では、生活援助中心のサービスは多様な人材が担うこととし、新たな研修制度を創設した。財務省は、これをさらに一歩進める必要性を説き、「高齢者や主婦などの『潜在的労働力』に、必ずしも介護の専門性が高くない周辺業務で活躍してもらうべきだ」と提言した。
三重県の老健協では「介護助手」を導入し、介護職員の負担軽減や本来の業務への集中、認知症者への個別対応などの効果が出ている。また、民間介護事業者でも新たな介護の担い手確保に向け、高齢者や学生向けの新人事制度導入を図る動きが活発化している。介護の専門人材との役割分担や導入目的の明確化は、介護職員の離職防止にもつながり、人材確保・定着が期待できる。
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