公益社団法人全国老人福祉施設協議会(東京都千代田区)は6月13日、厚生労働省に「2019年~21年における介護分野等の経済財政運営と改革の基本方針に関する提案」を提出した。
老施協、給付抑制に異論
6月5日に「経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太の方針)」の原案が公表されたのを受け、老施協の石川憲会長は7日に都内で開かれた「第53回理事会」にて、「一方的な介護給付の締め付けは間違っていると、はっきりと主張していく」と訴えた。
「骨太の方針」の原案には、ケアプランの作成や軽度者への生活援助について「給付のあり方を検討する」と明記。財務省などはすでに、居宅介護支援のケアマネジメントでも自己負担を新たに設定する案や、要介護1、2を対象とした生活援助を地域支援事業に移行する案を提示しており、21年度に控える制度改正をめぐる論点となっている。
石川会長は「医療費の適正化や、社会保障給付の抑制は必要だが、数字に表れない部分もしっかりと評価してほしい」と語った。
老施協は13日、骨太の方針に関する提言を厚生労働省に提出。ロボットやセンサー、ICTなどを活用して現場の負担を軽減していくことの重要性を指摘し、「例えば記録業務などの効率化により捻出できた時間は、利用者へのケアや関わりを手厚くするための時間と考えるべき。単に業務が効率化できたからといって給付費を抑制すべきではない」と訴えた。
また、地域支援事業に移すサービスを増やす案には、「地域の介護崩壊を招きかねず、一律には容認できない」と反発。「単価は既に事業者が実施できない程度にまで低減され、撤退も増えている」と問題を提起したほか、サ高住には総量規制を設けるべきといった内容も盛り込んだ。
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