厚生労働省は6月21日、2025年度に必要とされる介護職員数に対し確保できる見込み数の割合(充足率)について、推計に基づく分析を公表。全国の平均充足率は86.2%だというこが明らかになった。最も低い福島県、千葉県は74.1%と、必要な職員数の4分の3に届かない見通しとなった。充足率が最も高い山梨県の96.6%とは20ポイント以上の差が開いており、都道府県による地域差が大きいことがわかった。
全国平均充足率86%
今回の推計では、介護の需要と供給の開きを把握するため、都道府県の報告を基に介護職員数の充足率を比較した。介護の担い手不足がより深刻化し、地域によっては高齢者が十分な介護サービスを受けられない恐れがあることから、厚労省は「介護ニーズの増加に対し、職員数の確保策は急務。処遇改善など総合的な人材対策を講じていきたい」と語った。
福島県、千葉県に次いで低いのは、京都(79.3%)、沖縄(79.4%)、兵庫(81.2%)などの順。最下位となった福島県は「東日本大震災の影響でニーズの増大に職員確保が追いついていない」と話す。千葉県は「他の産業と人材の奪い合いになるのが主な要因とみられる」とコメントした。
16年度時点の介護職員数は全国で約190万人。厚労省の推計では、25年度には約55万人増の約245万人が必要で、対策を急がないと全国で約33万7000人の介護職員が不足するとみられている。
ヘルパーや介護施設職員の平均給与は賞与込みで月額26万7000円。全産業の平均より10万円以上低い。厚労省は処遇改善のほか、人手不足に備えて介護ロボットやICTの活用、外国人労働者の受け入れ拡大などに取り組んでいく。
政府は、消費増税に合わせて19年10月に、勤続10年以上の介護福祉士に対し、給与を月額平均8万円増やす予定だ。
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