政府は6月15日、「未来投資戦略2018」を閣議決定した。介護分野におけるICTの活用を図り、多職種による情報連携の促進を図っていく。
ICT活用を促進 帳票の実態把握へ
未来投資戦略の介護分野では、「平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加」を新たな目標として掲げた。ICT化の活用、科学的介護の推進、文書量の半減などについて取り組んでいく。
科学的介護を実現させるため、2020年度から高齢者の状態やケアの内容などの情報を収集・分析するデータベースの運用を本格化させる。厚労省は「改善の効果などが裏付けられた提供サービスについては、21年度以降の介護報酬改定で評価する」としている。また取得したデータを活用し、介護の質向上やスタッフの働き方改革につなげる方策も検討していく。
リハビリ専門職らの業務効率化なども推進する。介護分野のリハビリにおけるICTの活用や、ロボット、センサー、AIといった最新技術の活用に関しては、その評価に必要なデータの種類や取得方法などのルールを整理し、事業者による継続的な検証を促す仕組みづくりを行っていく。
ICTを活用した医療・介護連携については、今年度中に実証実験を行うとともに、その結果を踏まえ、事業モデルとなる標準仕様についての仕組みづくりに向けて、検討を開始する。
文書量の半減などに向けては、まず国や自治体が事業所に求める帳票などの実態を把握し、年度内に中身の見直しに着手する。介護分野の情報連携や事業所のICT化により、業務の再構築や効率化を抜本的に行うのが狙いだ。最終的には、事業者が独自に作成する文書も含めた見直しを図る。
厚労省は、「業務の効率化や生産性の向上に関するガイドラインを年度内に作成、普及させ、好事例の横展開を図る」としている。
介護保険外サービスについても明記。今年度中に品質を評価する仕組みづくりに着手し、自主的な認証制度やガイドラインの策定などを促す。
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