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 東京商工リサーチ(東京都千代田区)の調べによると、2018年上半期(1~6月)の「老人福祉・介護事業」倒産は45件と前年同期の40件を上回り、最多記録を更新した。このペースで推移すると、年間最多だった17年の111件を上回る可能性が高まった。

 倒産した介護事業者は、従業員5人未満が57.7%、設立5年以内が28.8%を占め、小規模で設立間もない事業者の倒産が目立つ。

 倒産の増加要因は、競争の激化で経営力、資金力が劣る業者の淘汰が加速していることや、介護職員不足の中で離職を防ぐための人件費上昇などが挙げられる。特に小規模事業者は業績低迷に、資金的な制約も抱えており、深刻な状況から抜け出すことが難しくなっている。

 倒産件数は最多ペースで推移しているが、負債総額は29億5500万円(前年同期53億5000万円)で、前年同期より約4割減少した。負債10億円以上(前年同期2件)の発生がなかったことに加えて、負債1億円未満が35件(前年同期32件)と増加、全体の約8割を占めるなど小規模事業者の倒産が大半だったためだ。

 業種別では、「訪問介護事業」18件、「通所・短期入所介護事業」18件。「有料老人ホーム」が7件、サ高住などを含む「その他の老人福祉・介護事業」が1件。
 「今後、経営体制の未整備や経営基盤の脆弱な介護事業者が『ふるい』にかけられることは避けられない見通しだ」(同社担当者)

 

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