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全国に181事業所を展開するヒューマンライフケア(東京都新宿区)は2018年にグループホーム4施設、小規模多機能型居宅介護2施設を開設した。同社は今後、小多機とグループホームを中心に1都3県でドミナント展開する。

 

 

地域密着型を展開 認知症対策強化へ

 

── 開設計画は。

瀬戸口 2018年に川崎市と埼玉県川口市にグループホーム、東京都立川市と横浜市に小多機とグループホームの併設施設を開設した。小多機は開設してから、定員に達するまでが短期間になったと感じる。訪問介護事業者の撤退が増え、小多機が注目されているからだと考えられる。また、今年度の報酬改定により、「生活機能向上連携加算」が見直されたのは追い風になっている。

デイは供給過剰のため、新設は予定していない。1都3県で認知症へのアプローチをしながら、小多機とグループホームを中心にドミナント展開を行う。将来的に小多機の拠点数を3桁にして、業界トップのシェアを目指す。

 

── 認知症への取り組みは。

 

瀬戸口 認知症の発症率を考えると、認知症対策は重要になる。認知症にはデイ、グループホーム、小多機の3つのステージで取り組む予定だ。デイでは予防に取り組み、小多機ではケア、グループホームでは自宅でのサービスが困難になった人へのケアと状況に応じたサポート体制を構築する。

デイでは今年から、元NHKラジオ体操の指導者である西川佳克氏が、デュアルタスクを取り入れて開発した「にしかわ体操」を導入。また、当社独自の認知症予防教材「認知症に負けない 大人の学習帳」を利用者に渡し、計算力・記憶力・言語能力・思考力・空間認識能力・発想力・注意力の7つの能力を鍛えることで、認知症の予防・症状の改善を図っている。

認知症予防・ケアのプログラムをさらに強化したいと考えている。

 

 

── VR研修など人材育成にも力を入れている。

瀬戸口 介護サービスは人が提供するものなので、人材育成が最も大切だと考えている。昨年10月より、独自のVR研修を開始した。VR研修はスピーチロック(言葉による拘束)を利用者目線で疑似体験できるもの、現場において危険が発生しそうな場所を探すリスクマネジメント訓練ができるものを導入。今まで現場のOJTに頼っていたが、VR研修で育成期間を短縮させて現場の負担を減らせるように取り組んでいる。

また、スタッフのモチベーション、ケアの質向上を目的に社内独自の認定資格「ケアテクニカルマイスター制度」をつくった。3段階の資格を設けており、スタッフはキャリアアップを目指せる。

今後は認知症の知見を高める育成制度も構築したいと考えている。

 

── 今後の展開は。

瀬戸口 現在、デイ85施設、グループホーム27施設、小多機16施設を運営している。

地域の介護拠点づくりを進める上では認知症は大きな課題と捉えている。既存のデイを基点に地域で必要とされるグループホームと小多機の併設施設を開設していく。

また、海外市場にも注目しており、海外でも増加する認知症者への対応として認知症のコンテンツを強化し、海外にも展開していきたい。

 

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